2009.3.05

既に、インターネットのニュースなどでご覧になった方も多いと思いますが、かねてより噂のあった、Microsoft社の新たな検索エンジン「Kumo」に関する情報がだんだんと明らかになってきました。

Kumo

この新エンジンには、Microsoftが、昨年買収した、Powerset社が持つ「自然文検索」に関する技術も取り入れられていることから、検索キーワードだけでなく、例えば「インターネットの普及で仕事の仕方はどう変わる?」といった「質問文」に対しても、適切な検索結果を表示できるのではないか、と期待されています。

また、上の画面キャプチャではちょっとわかりにくいのですが、検索結果の左側に表示される「カテゴリー」は、検索エンジンが定めた固定的な分類ではなく、個々の検索キーワードに対応したカテゴリーが、その都度、表示されるそうです。例えば、芸能人の名前で検索をした場合には、その検索結果と合わせて、「公演・チケット情報」「アルバム」「プロフィール」といった関連性の高い「カテゴリー」が自動的に生成される、ということのようです。

更に、もう一つ、このKumoの目玉になると噂されているのが、画像検索に関する新たな技術の搭載です。

ご存じの通り、これまでの画像検索というのは、画像のファイル名や、画像と一緒に表示されているテキストなどを読み込んで、検索キーワードに関連する画像を探し出してきましたが、Kumoにおいては、こうしたテキスト情報に拠らず、画像そのものを判別することができるようになると言われています。もし、こうした検索エンジンが登場すれば、将来的には「オバマ大統領が、ブッシュ前大統領ではなく、クリントン元大統領と一緒に映っている写真」だけを検索する、といったことも可能になる訳です。

確かに、最近発売されたMacのアプリケーションであるiPhoto’09には、写真に映った人の顔を検出して、自分の家族や友人の映った写真だけを探し出すことができる機能も搭載されており、画像認識に関する技術自体は、すでに実用化のレベルにあります。一方、ネット空間にあふれる膨大な画像の中に描写されている無数の「オブジェクト(=対象物)」を、Kumoの検索エンジンが、どのように認識・分類していくのか、非常に興味深いところです。

ともあれ、多くのユーザーに支持される新たな検索エンジンが登場することは、検索ユーザーにとっても、検索エンジンを使ってマーケティング活動を行っている広告主にとっても、選択肢が広がるだけでなく、Yahoo!とGoogleによる寡占状態に風穴を開け、競争の促進によるサービスの向上も期待できるという意味では、大いに歓迎すべきことだと思います。


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