去る8月10日(水)、6月に開催されたECセミナーのフォローアップ企画として、「正しくデータを読み込もう!~ECサイトのROI測定~」をテーマにしたワークショップを開催いたしました。
本ワークショップでは、ECサイト担当者の方々がどのようなことに悩まれているかを、具体的なお話をお聞きしながら、最適なROIを導き出すデータの読み方のコツを、弊社代表 泉が講義しました。
最初に参加者の方々の自己紹介も兼ねて、今抱えている問題について発表する形でワークショップがスタート。業種は違っても、やはり皆様からは今回のワークショップのキーワードである「データ」に関する意見が多く上げられました。そこで今回は、共通に出てきたお悩みである「自分がいる業界の広告費やCPAがよくわからない」「アクセス解析のデータをみて最適化をしたいが、読み方がわからない」といった点を中心にお話をさせて頂きました。
まず、ネットマーケティングはすべてが実験であり、その実験の結果を検証するときにデータが必要となり、迷った時に戻るべき場所がデータであると位置付けました。その上で、データは「ゴール」ではないということを認識する重要性と、データがすべてという「過信」を払しょくする必要があることを説明させて頂きました。
たとえば、参加者からのお悩みにも出てきた、相場観を考えたとき、同じ商品・同じキーワードを扱っていても、原価率が違う、売る方法が違えば当然CPAや広告費の相場観は変わってきます。つまり、同じ土俵の上にいないので、相場観を考えるのは無駄であるといえます。ポイントは、本気で相場観を考えるのであれば、相手の原価率や成約率の指標までを含めて比較しないと、単純にCPAや月々の予算について聞いただけでは、議論することは難しいということです。また、色々なアクセス解析ツールが存在する中で、ツールによって計測方法が違うことを理解し、単純にデータだけでは比較ができない点は注意が必要です。
【データは「ゴール」ではありません!】
そして、これからは検索エンジンマーケティングなど、媒体やツールごとのマーケティングではなく、これらを組み合わせて最終的にどのような結果(パフォーマンス)がでたかを分析していく、パフォーマンスマーケティングの時代であることを指摘しました。ソーシャルなどが台頭してきた今、断片的に物事を見るのではなく、全体のパフォーマンスを見ていく必要があります。細かい数字に振り回されず、数字と数字の間にある計算の根拠の違いを読み解く重要性を説明しました。
【時代はパフォーマンスマーケティングへ】
また、最近では日本でも「アトリビューション」という言葉が浸透してきています。アトリビューションとは、一つのコンバージョンに対し、貢献したと思われる複数の媒体があった場合、各媒体がどれくらい貢献しているかに注目した考え方です。今後は、その貢献度によって媒体の予算配分を最適化することがカギとなってくるというお話をさせて頂きました。
ワークショップ全体を通してお伝えしたことは、ネットマーケティングにおいて、答えは一つではない、さらに言うと、答えはないということです。立場やおかれている環境が変われば、データの見方も人それぞれで、これが正解というものはありません。時に、想像力を働かせ、たとえば、コンバージョンに至るまでの人の気持ちの変化などは、科学的根拠がなくデータでは証明できません。そこでは、データだけを見ていてもだめ、ツールだけに頼るのもだめ、仮説を立ててデータを見ていく力=見えないものを探る人間の知恵が求められます。勝ちパターンを見つけるヒントは、統合的なデータの収集・解析とデータを読み解く人智の組み合わせにあるということを、参加者の皆様にはご理解いただけたのではないかと思います。
【見えないものを探る知恵が必要です】
そして、最後に、正しいリピート率の考え方、重要性を説きながら、事業計画の立て方についてご説明し、1回目のワークショップを終了しました。
尚、ルグランでは、今後もこのようなワークショップを定期的に開催していく予定です。開催の時期については、弊社ブログやニュースレター 、あるいはフェイスブックページ などでご連絡をさせて頂きます。
(by Tomomi Yokota, Business Development Manager, Le Grand)