2008.11.06

SEMを外注するべきかどうかは、アメリカの企業に於いても、悩みどころのようです。SEMの重要性が高まる一方、その管理・運用方法も複雑・高度化してきているため、多くの企業が外注という方法を選ぶようで、63%のアメリカ企業はSEMの作業を部分的に外注しているというデータがあります。SEMの管理・運用を社内で完全に内政化するということではなく、社内でSEM担当者を置きながら、外注先に管理・運用の多くの部分を委ねるということが方向性のようです。

日本でも、代理店を通じてSEMの管理・運用を行っている企業が多いかと思いますが、業務を外注したにも関わらず、作業の殆どを社内で行うという本末転倒なケースも良く見受けられます。そのようなことにならないために、大切なのは外注先選びです。

アメリカのマーケティング雑誌「Search Marketing Standard」に、企業がSEMの外注先を見つけるためにチェックするべき項目をまとめた記事がありますので、ご参考にしていただけそうなポイントを2回に分けてご紹介します。

【その1】:まずは、企業のマーケティング担当者がSEMに関する知識を得る
検索関連のカンファレンスに出席する、雑誌等を通じて、SEMの知識を自ら得ることが大切だ。また、忘れていけないのは、知識を得るという作業は一回で終わるのではなく、情報・環境が変わり続ける中で、継続的に行う必要がある。

SEOの最大手であるBruce Clayの社長は、「良いプロジェクトパートナーになるために、最初に、クライアントの全員にSEOのトレーニングを取ってもらうようにしている」とコメントしています。偶然にも弊社がコンサルティングを行わせていただく際にも、同じようなお話をしています。SEMのロジックを双方が理解することで、得られるメリットは想像以上に大きく、実は、これが広告効果に繋がると考えても良いかもしれません。例えば、企業側はロジックを理解することで、今、何が起きているのか理解することができるようになるため、外注先に対して主導権を握りやすくなります。また、外注先である弊社のような代理店は、作業を行うたびに企業側から質問を受けることがなくなり、その分、最適化により時間を費やすことが可能になるわけです。Clay氏が「プロジェクトパートナー」という表現を使っているところも非常に興味深いところです。SEMで効果を出していくためには、管理・運用だけでなく、サイトで販売する商品・サービス、また、サイト構成なども大きく影響してきます。つまり、どちらか一方の力で効果を上げることはできず、共通の目標を持つパートナーというとして、力を合わせていくことが大切なのです。

【その2】:ビジネスのゴールを明確にする
外注先になる代理店の評価をする前に、SEMで達成したいゴールを明確にすることが大切だ。その際に、外注先を選択する責任者は、マーケティング、IT、財務の責任者も含めて打ち合わせをし、目標の実現性を協議する必要がある。

これもまた、興味深いポイントです。「何を実現したいか」ということが明確でないと、外注先の良し悪しの判断もつかず、外注先が管理・運用を始めてからも、方向性が定まらず、その結果、曖昧な関係になってしまいます。

欧米の企業では、SEM代理店が企業側にプレゼンテーションを行う際には、財務担当者(ファイナンス)も含めるという話を良く聞きます。財務担当者にSEMを理解してもらうという目的に加え、財務担当者がマーケティング予算に対して権限があることが多いため、他の媒体と比べSEMの費用対効果が高いという判断した場合、他の予算をSEMに移すということも起きているようです。また、ITを含むことも非常に大切だと思います。「SEMを始めたけれども、ITがコンバージョンタグを貼ることを許してくれない」なんて話も実際にありますので、まずは、企業内の意識合わせは重要です。

【その3】: 信頼出来る筋から情報を得る
信頼できる人から情報を得る、あるいは、業界誌での評判や、ランキングを参考にする。

marketingservicesguide

口コミ情報が強いのは、どこでも同じですね。ランキングについては、欧米では、「Top Search Agencies」というようなタイトルで毎年ランキングを発表する業界紙がいくつかあります。数字だけでは、判断できない部分も多いかと思いますが、外注の候補先どのくらいあるのか、また、それぞれの特徴を知るためには役立ちそうです。

皆さんもご存知の通り、SEMは他の媒体とは違い、一回で終わるものではありません。ロジックを基に、トライアンドエラーを継続していくことが、効果を高める唯一の方法と言って良いかと思います。その時に大切なのは、手を取り合って目標に向かって歩んでいくパートナー。

パートナーを選んだ後に、「こんなはずではなかった」と後悔しないためのチェックポイント、次回に続きます。


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