先日8/28(火)、マーケティング・リサーチャーのコミュニティJMRX、株式会社ボーダーズ共催の特別セミナーが開催され、弊社代表泉が登壇いたしました。
今回のセミナーでは「マーケティングアナリシス最前線~AKB選抜総選挙を予測したデータ分析技術、データ分析から利益までのプロセスとは?~」をテーマに、泉のほか、株式会社マイクロアド 未来広告研究所所長 中川氏、株式会社ディー・エヌ・エー の濱田氏、トランスコスモス・アナリティクス株式会社 取締役副社長 萩原氏というリサーチ業界で著名な方々が集まり、膨大かつ複雑化するデータをどのように有効活用するべきか、また、今後のリサーチャーに求められるスキルについてそれぞれの視点からご講演されました。
当セミナーは定員を超える多数の応募があり、抽選で選ばれた180名の方々で会場は開始前に早くも満員となる中、最初のセッションを「データで予測する2012年第4回AKB選抜総選挙」というテーマで泉が務めさせていただきました。
総選挙予測については、今年4月に開催されたi love data.jp開設記念セミナーでも講演し、予測結果や分析方法について多くのメディアにも取り上げられるなど非常に反響の大きいものでしたが、同時に予測結果を発表したブログには一般の読者の方々から多くの感想・意見が寄せられました。
そこで今回のセミナーでは総選挙予測の分析について簡単に述べたあと、予測結果に対して実際に寄せられた意見をいくつかご紹介しながら、どういった反応が多かったか、また、データを活用する側とそれを受け取る側でどのようなギャップがあるかといった点を中心に講演しました。
予測結果に対して寄せられた手厳しい(?)意見は以下の3つに大別され、これらを“データの活用を阻む3つの「無理」な要求”と呼びました。
1. 結果の正確性
2. 変数の多様性
3. 結論の意外性
具体的には「結果(順位)に対して寸分の狂いもない予測でなければいけない」、「予測に使う要素はそれだけで良いのか、考慮すべき要素はもっとたくさんあるだろう」、「この予測結果ならデータを使わなくても誰でも予測出来る」、といったものですが、セミナーにご参加された方々の中にはデータを活用する立場の方が多く、逆の立場からの“生の声”に新鮮な感想を抱いた方も多数いらっしゃったのではないでしょうか。
データを活用し何か意思決定を行う場合において、また、統計学の観点からみてもこれらの要求を満たすことが必ずしも重要ではないと述べた上で、GoogleのChief EconomistであるHal Varian氏の言葉を引用し、今後データを扱う者に求められるのは「データの意味を理解する」、そして「そこから価値を生み出し、その価値を分かりやすく視覚化して伝える」能力であるという言葉でセッションを締めくくりました。