今週8/5(火)、株式会社ルグラン×株式会社マイクロアド共催セミナー「カンヌに学ぶ、広告とコミュニケーションの最新事例」を開催しました。
広告のトレンドがいち早くキャッチできるとご好評いただいた昨年の「カンヌライオンズ」報告会に続き、今年も講師を務められたのは、元カンヌライオンズ審査員で、現在は、多摩美術大学教授の佐藤達郎さん。毎年、現地を訪れ広告界のトレンドを見つめてきた佐藤さんは、ここ数年の傾向について「作品としてのクリエイティビティ」から「仕掛けのクリエイティビティ」へ移行していると言います。さらに、受賞作品を通して佐藤さんが見た今年の広告のトレンドを、作品を鑑賞しながら「5+1」のキーワードで解説していただきました。
今年のキーワードは5+1
■キーワード1 DBC(データ・ベースド・クリエイティブ)
最初に佐藤さんが挙げられたキーワードがこちら。データが存在して成り立っている作品。
■キーワード2 ACC(アクション・コネクテッド・クリエイティブ)
次に挙げられたのは、リアルタイムでアクションにつながる作品。
たとえば、発展途上国の子供たちへの募金集めるために、寄付を募るのではなく、その場で寄付をしてもらう仕掛けをするというもの。
■キーワード3 新型実証エンタメ
VOLVOのタイヤのステアリングの安定性をアピールした作品が代表的。YouTubeで公開5日間で2千万回の再生が記録され話題となりました。
【THE EPIC SPLIT】
■キーワード4 ”勇気ある切り口”を”やり切る”
英国の高級デパートHarvey Nicholsが打ち出した広告では、自分のクリスマスプレゼントに奮発しちゃったから、貴方へのプレゼントはチープに、ただし、高級デパートで購入したものよ、という、思わずクスッと笑える内容が共感をよびました
■キーワード5 おばかパワー
どれだけメディアで取り上げられるかということが、認知の拡散には重要。パロディが生まれる、というのも重要な指標になります。
■キーワード(+1)ストーリーテリングからストーリードゥイング
ブランドの持つストーリー、施策全体のストーリーをどのように実行(Doing)していくか
気になる日本勢の活躍は?
史上最高だった2012年に次いで、ブロンズ以上44の好成績をおさめた日本勢。中でも、新部門のチタニウム部門グランプリに輝いた「Sound of HONDA」は、データとテクノロジーを使い、臨場感あふれる光景を再現したその発想と手法が高く評価されました。
【Sound of Honda/Ayrton Senna 1989】
パネルディスカッション
後半は、佐藤さん、マイクロアド未来研究所所長 中川斉さんと弊社代表 泉によるパネルディスカッションへ。
今年、初めてカンヌライオンズに参加した中川さん。データ分析をメイン業務としている中川さんは、人間が介在するのではなく、データをうまくクリエイティブに活かしているのが印象的だった言います。
また、DBCが多くみられる今、広告の制作はこれまでのようにクリエイターだけでなく、「データを何に使うか」「どのメディアを買い付けるのか」ということが重要になるため、デジタルマーケティングに携わる人が広告を作る時代になっているとの佐藤さんの言葉に、泉はデジタルマーケターならでは視点を活かした広告制作に意欲を見せていました(笑)
さらに、「日本から応募する場合、応募ビデオに盛り込むメッセージやトーンは、欧米的なコミュニケーションのスタイルを意識した方が良いのか?」との泉のやる気満々の質問に対し、元審査員でもある佐藤さんからのアドバイスは
・「何が課題でどのように解決したか」が明確に理解できるようにすること
・特に日本固有の文化や習慣に関わる内容については、日本人以外の人にも分かりやすい例をあげながら説明することが有効
という2点をあげられました。
その他、現地に行くメリットやちょっとした裏話に、参加者の皆さまからも活発な質問が寄せられ、充実した2時間となりました。
——————————-
ルグランでは、今後も、デジタルマーケティングに携わるみなさまの有益な情報源となるようなセミナーを多数開催していく予定です。最新情報は本ブログやニュースレターにてお知らせしますので、どうぞ、お楽しみに。