日本時間の本日未明に、Googleが今後、Google.comでの検索をすべてSSL対応すると発表しました。
もう少し、正確に言うと、今後数週間以内に、AdWordsの管理画面や、Gmailなどを利用しているなど、ユーザーがGoogleアカウントにログインした状態で、Google.comで検索しようとした場合には、自動的にhttps://www.google.comにリダイレクトされるようになる、ということが行われます。Googleのアナウンス によると、検索結果の「パーソナライズ」が進む中、検索ユーザーのプライバシーを保護することが重要になることを踏まえてSSL化を決定した、というのが理由のようです。
このSSL化がもたらす最大の変化は、Google.comで検索したユーザーがウェブサイトに来訪した場合に、リファラー情報の一部が確認できなくなる、ということです。具体的には、今後、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを利用しても、来訪者が、Google.comで、どのキーワードを検索してサイトに来訪したのかは分からなくなります。
特にアクセス解析に携わっている方は、大変なことになったと思うかもしれませんが、少なくとも日本において、現時点では、天地がひっくり返るほどの変化は起きないと思われますので、その点は理解をしたおく必要がありそうです。
1. Googleアカウントにログインしているユーザーの検索だけが対象
検索関連の情報サイトSearch Engine Landが報じた ところによれば、Googleのマット・カッツ氏いわく、影響を受ける検索クエリは全体の10%未満であろうとされています。但し、今後、GmailやGoogle+の利用者が増えることで、ログイン状態でGoogle検索をするユーザーが増えることも予想され、また、将来的には、Googleが、ログインしていないユーザーの検索についても、SSL化を進める可能性もある、と指摘する専門家もいますので、いずれにせよ、今後のGoogleの動向には注意が必要でしょう。
2. Google.comでの検索のみが対象
日本からのGoogle検索する人の多くはGoogle.co.jpを使っていると思われますので、日本で影響を受ける検索クエリの割合は更に少なくなると思われます。但し、Googleのパンダアルゴリズムなども、当初はGoogle.comからスタートしましたが、徐々に海外のGoogleサイトにも対象範囲が広がっていますので、同様のことが起きる可能性はあります。
3. Google.comの自然検索経由での流入であることは確認できる
サイト来訪者が入力した検索キーワードは分からなくなりますが、Google.comからの来訪であることは引き続き、Googleアナリティクスでも確認が可能です。なお、GoogleアナリティクスのBlog記事 によれば、検索キーワードが確認できない流入については、新たに(not provided)というパラメータが用意されるとのことです。また、前出、Search Engine Landの記事 によれば、流入側のサイトもSSL対応している場合には、従来通り、検索キーワードも含めたリファラー情報は確認できるとのことです。なお、AdWordsからの流入については、今回の変更後も、従来通り、検索キーワード情報は提供されます。
また、流入キーワードの総数については、GoogleのWeb Master Toolを導入していれば、ある程度は確認できますし、そのデータの一部は、Googleアナリティクスでも確認できるようになっています。ただ、Google.com経由の流入について、キーワード別のコンバージョンなどを把握したいという場合には影響が出てしまいますが、上述の通り、現時点において、特に日本では、それほど大きなインパクトはないと思われます。
本ブログでも、今後の動向を注意深く見守り、みなさまにも情報を提供していきたいと思います。
(by Rod Hiroto Izumi, Founder & Co-CEO, Le Grand)