「INTEROP TOKYO 2007」が開催されている幕張メッセの国際会議場で、昨日
インプレスR&D社によるインターネット白書 2007の記者発表会が行われま
した。
発表会の席上、インプレスR&D社 インターネットメディア研究所所長の中島氏
より、今年の白書で取り上げられている主要な統計データについてのプレゼン
が行われました。それによると、日本のインターネット人口は、今年3月時点で
ついに8,000万人を超え、またブロードバンド (ADSL以上)の世帯普及率も50%を
超えたとのことです。
まさにWeb2.0時代を迎える準備が、日本中の家庭でも整った感がありますが、
一方で、Web2.0的なサービスの利用動向を見ると、例えばYouTubeなどの動画
投稿サイトは92%の人が「閲覧のみ」、ウィキペディアも発言・書き込みをして
いる人は2.4%ということで、CGM (Consumer Generated Media)とはいいな
がら、実際にコンテンツを’Generate’する人は、まだ、ごく一部のユーザーに
限られているという状況のようです。
ところで、今年の白書では、検索連動型広告について気になるデータが出ていま
した。アクセス誘導対策として、検索連動型広告はSEOと並んで上位にランク
されており、利用者の65.7%は効果を感じている反面、まだ利用していない企業
において、今後の導入意向はわずか3.3%(!)に留まっています。
つまり、この調査結果は、検索連動型広告の利用者はメリットを感じている反面、
未利用者には、そうしたメリットが充分に理解されていないということを意味して
いると考えられます。こうした状況が続けば、日本の検索連動型広告市場の成長
にも影響が出ることは間違いありません。
日本において、インターネット広告費に占める検索連動型広告の割合は約27%で、
英国の約60%、米国の約40%と比べると相当低い水準にあります。これを「成長
余地」と見る向きもありますが、先日、「Web担当者Forum」の記事でも書いた
通り、順位市場主義→CPA/ROI主義への意識変革が行われない限り、検索連動型
広告の真のメリットが理解されることは非常に難しいのではないでしょうか。
そこで重要となるのは、日本において大きなプレゼンスを持つ広告代理店が、広告
主の教育・啓蒙に果たす役割は大きいという点ではないでしょうか。この点につい
て、今年の白書ではみずほコーポレート銀行産業調査部の方が、非常に興味深い
レポートを寄稿されています。
これによると、昨今の市場停滞感の背景には、競争の激化と大幅な人員増加による
広告代理店の収益率の低下があるとしています。今後の収益力の回復には、コン
サルティング能力の拡大と、テクノロジーの活用による競争力の強化が必要である
と分析しています。
弊社も微力ながら、広告主の方々へのコンサルティング活動を通じ、検索連動型
広告に関する正しい知識や運用ノウハウをお伝えすることで、日本のマーケターの
国際競争力の強化に貢献していきたいと考えております。
なお、今年も昨年に引続き、弊社代表 泉 浩人が「成長を続ける検索連動型広告
市場の今後」というテーマで、白書に寄稿しております。「インターネット白書
2007」はインプレスR&D社より6/21(水)に発売されますので、どうぞお手に
とってご覧下さい。
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