これまで、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアのマーケティング活用に関するメリットとしては、自社の商品やサービスが市場でどのように受け止められているかという「口コミ」を可視化するためのツールとして活用できるといったことのほか、ソーシャルメディアおいてプレゼンスを高めることで、企業やショップのブランドに対する認知度を高めたり、あるいは、現在および将来の顧客との結びつき(エンゲージメント)を強めることで、顧客基盤をより強固なものにすることができる、といった点が強調されてきました。
一方、ご存じの通り、グーグルをはじめとする検索エンジンは相次いでTwitterと提携し、「タイムライン」(=Twitterユーザーの「つぶやき」の履歴)についても検索結果に含めることで、いわゆる「リアルタイム検索」への一歩を踏み出しましたが。また、先頃、Facebook内に開設された「グループ」の中で、グーグルのインデックスに登録されたものが6億グループを超えたという発表もあり、ソーシャルメディアに記載したコンテンツが、検索結果として表示され、そこからウェブサイトへのトラフィックに繋がる「ソーシャルメディアの二次商流」とも言うべき流れが生まれつつあります。図にまとめると、おそらく次のようなイメージでとらえることができるのではないでしょうか。
そのような中、米国の調査会社hitwiseから、昨年末の小売業界におけるクリスマス商戦において、ソーシャルメディアがもたらした販促効果に関する分析が発表されていましたので、ご紹介したいと思います。
上図は、小売業を営む500社のサイトに対する12月の流入元の割合を2008年と2009年で比較したものですが、両年とも検索エンジンからの流入が30%以上を占める一方、Facebookなどのソーシャルメディアからの流入が前年比で37%も伸びていることを示しています。ただ、この数字だけを見ると、ソーシャルメディアの閲覧者も、そうでない人も、同じような割合で有名な小売業者のサイトを訪問しているだけ、という見方もできますが、hitwiseでは、
・今や全米でGoogleに次ぐ、第2のトラフィック量を持つFacebookにおいて、利用者の2%が、Facebookから直接、小売業者のサイトに遷移をしていること
・Facebookのサイト内検索において、「ウォルマート」や「ターゲット」などの小売業者の名称が頻繁に検索されていること
などを考え合わせると、多くの人々は、ソーシャルメディアの中でも積極的に、小売業者に関する情報を「検索」した上で、明確な意思を持って、小売業者のサイトを訪問しているのではないか、と結論づけています。
ソーシャルメディアが検索エンジンと並ぶ「ショッピングの起点」になる日は近いのでしょうか?