2007.7.20

オーバーチュアをご利用の方々は既にご存知の通り、「新スポンサードサーチ」移行の最終段階として、先週(7/12)から、新しい掲載順位の決定方式が導入されました。今後はクリック単価のみならず、クリック率を中心とした広告の「品質」も掲載順位の決定に大きな影響を与えるようになります。

新方式の導入が、みなさんのキャンペーンにどのような影響を与えるかを見極めるには、もう少し時間が必要と思われますが、今後の動きを予測するには、既に今年の2/5から新しい方式に移行している米国の状況が参考になると思われます。

本年4/6発行の弊社ニュースレターでは、新方式への移行後6週間で、クリック率が平均約10%上昇したという、米国の広告代理店AQuantive社のレポートをご紹介しましたが、今般、米国NYに本拠を置くSEM代理店reprisemedia社が先月公開した、より詳細なレポート”INSIDE YAHOO PANAMA”を入手しましたので、ご参考までにそのエッセンスをご紹介します。なお、更に詳細をお知りになりたい方は、同社のホームページから必要事項を入力すれば、レポート全文のPDF(英語)も無料で入手可能です。

本レポートでは、新方式導入直前の2007年1月と、導入後2ヶ月目にあたる3月との間で観測された変化を、同時期のグーグル(アドワーズ)、MSN(アドセンター)の数値とも比較しながら検証しています。

1. クリック単価は6.2%低減

同時期のグーグル、MSNのキャンペーンでは、クリック単価がそれぞれ2.8%、9.6%の上昇を示していることから、新方式下のヤフーにおいては、クリック率を高めるよう、キャンペーンや広告グループの設定を適正に行うことでクリック単価の低減が図られることが実証されたと結論づけています。

2. クリック率は32%改善しグーグルとほぼ同水準に

グーグルでは既に提供されていた広告配信地域の指定やキーワードの自動挿入機能などが新スポンサードサーチでも利用可能となったことが、クリック率をグーグルと同程度の水準まで大幅に改善させる大きな要因となったと見られています。

3. 最適化ノウハウの有無が広告効果に影響

新スポンサードサーチで導入された「キャンペーン」や「広告グループ」などの新たなアカウント構成に即したリスティングの再編や、タイトル&説明文の作成ノウハウの有無によって、特にクリック単価の削減効果にはバラつきも出ており、特に大手企業や代理店が管理するキャンペーンと、一般的にはこうしたノウハウに乏しいと考えられる中堅・中小広告主を比較すると,後者では逆にクリック単価が5.7%も上昇してしまったという結果が出ています。

これらの結果を総合すると、新スポンサードサーチによって提供された様々な機能は、特にクリック単価の低減によって、多くの広告主に広告効果の改善をもたらすと考えられる反面、これらのメリットを充分に享受するためには、新方式に即した最適化ノウハウをしっかりと身につけておくことが不可欠であると言えそうです。


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