2008.10.22

iphone

米国のKeynote Systems社によると、自社のKeynote WebEffecitve(R) for iPhoneを使った調査の結果、iPhone対応サイトのユーザー満足は低く、まだまだ改善の余地があるようです。

Keynote Systems社のProduct Manager Dan Richards氏は、”iPhoneは確かにスマートフォン市場に画期的な躍進をもたらしたが、我々の調査によると、ユーザーのウエブサーフィンエクペリエンスはその域に達していない”と語り、ユーザービリティ的にも100パーセントの満足度を得るにはまだまだ改善点はあると述べました。

例えば、米Yahoo!と米Fox Newsのモバイルサイトを利用したユーザーの内、それぞれ51%と64%が満足度が低いと感じ、実際にこの二つのサイトが魅力的であると感じたユーザーは半数以下でした。特にYahoo!のユーザーは普段利用しているパソコンサイトの方がiPhone対応のモバイルサイトよりも使いやすいとの結果を出し、60%のユーザーはサイトの利用に関してフラストレーションを感じ、主な不満の内容はサイト上で発生するエラー、雑然として分り難いページレイアウト、サイトの読み込みスピードや、スクロール幅の大きさなどが取り上げられています。

日本での状況についてはまだ詳しい情報はありませんが、ソフトバンクモバイル株式会社が iPhoneを取り扱うと発表をされたと同時にYahoo! Japanは対応サイトを発表している事を考えると、3G対応以前の接続速度の問題はあったにしても、いち早くiPhoneを利用していた割には米国のモバイルサイトに関しての対応はまだ遅れているのかもしれません。

筆者は個人ではiPhoneを使用していませんが、過去に体験のあるウィンドウズCE、ウィンドウズモバイルや、今や日本の携帯電話は標準となりつつあるフルブラウザですら、満足度の高いユーザービリティとは言い難いものだと思っています。また、各社検索ポータルが幾らユーザービリティをiPhoneやスマートフォンに適合させてみても、その先にある検索結果のサイト群が同様の対応をしていない限り、ユーザーの満足度は高くならないと考えます。ただし、これはサイト運営社側だけの問題ではなく、ハードウエアおよびブラウザソフトの開発側にも責任はあると思います。

そもそもユーザーは今や、iPhoneやスマートフォンで専用サイトを見るのではなく、パソコンで普段見ている同じサイトをそのままiPhoneで見たいのでは無いのでしょうか?どんなに画面が小さいくて、見難くてもそれを拡大表示する技術が提供され、パソコンとまったく同じ内容のサイトをサクサクとみせる事ができれば、よっぽどユーザーの満足が上昇すると思います。

広告主の視点からみても、これらのiPhoneやスマートフォン全般向けのモバイル専用サイトが必須となってくると、日本の検索連動型広告市場では少々やっかいな存在になってくる気がします。なぜなら日本にはすでのimodeを始めとした、携帯電話端末のサイト市場があり、アドワーズやオーバーチュアの対応もやっとこれらのサイトへの配信に対応出来ているというのが現状です。主要キャリア別の対応サイトをつくったり、PCとは別のキャンペーンを作ったりで、そこにさらに iPhone向けのサイトや広告キャンペーンとなると、今迄以上に厳しく費用対効果を考えながら取り組まないと、とんでも無い作業ボリュームになってしまいます。

残念な事にKeynote Systems社の発表では、テストユーザーの内のわずか4%のユーザーがサイト上の広告をクリックして、25%のユーザーが広告を認識したにも関わらず、クリックしようとしなかったとの結果が報告されています。検索自体のユーザービリティに関しても、いろいろと挙げられた不満の原因をから予測するには、ユーザーは広告をクリックして無駄に時間をつかったり、無理矢理作られた複雑なサイトナビゲーションの中に迷い込むのを敬遠しているようにも思えます。。。こうなると、世の中の全てのサイトに対応を求めるよりは、ハードウエアメーカー、ブラウザソフト開発側の努力に期待するのが得策なのではないでしょうか?


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