先週、Googleがサイトにコメントをつけられる「サイドウィキ」というサービスの提供を開始したという発表があった。
海外のBlogなどを見ると、「今後、人々は、個々のサイトにはコメントを残さなくなり、そして、書かれたコメントを読むには、Googleのツールバーを使わざるを得なくなる。」と警戒感をあらわにしたコメントなども掲載されているが、個人的には、どうにもこのサービスがブレイクする感じがしない。実際、Googleは、これまでも検索結果に対してコメントを残せるサーチウィキという機能を提供しているが、私の周囲を見る限り、この機能をつかって積極的にコメントを付けたり、はたまた他人のコメントを参照したりしている人を見たことがない。
そもそも、検索エンジンというのは、基本的にはログインやアプリのインストールなどをすることなく、誰でも非常に簡単に使えるツールゆえ、インターネットの黎明期から、非常に多くの人たちに使われてきた。そして、オーバーチュアの前身であるGoTo.comという企業が考え出した検索連動型広告という仕組みによって、検索エンジンは、集まってくる膨大なトラフィックをマネタイズすることが可能となり、秀逸な検索エンジンを開発しながら、当初、収益化の目処が立たなかったGoogleの飛躍的な成長を支えることになるのは周知の通りである。
一方、サイドウィキを利用するには、Googleのツールバーをインストールすることが必要となるわけだが、敷居の低さゆえに集まってきた多くの検索ユーザーに対して、ツールバーのインストール(および、その後の積極的な利用)という「エンゲージメント」を促すための方法なり戦略を打ち出すために必要な知見がGoogleという組織の中にあるのだろうか、という点が、どうしても疑問として残る。
こんなことを思っていたら、John Battelle氏のブログに、サイドウィキに関する次のようなコメント見つけた。
“Now, Google is an advertising services business, and one could argue that it’s in the business of publishing as well (YouTube, Blogger, Knol). However, the company is not that great at leading community.”(Googleは広告サービスを提供する会社であって、「コミュニティ」を醸成することに長けた企業ではない。)