みなさんはNaver(ネイバー)という検索エンジンを知っていますか?
普段、ネットマーケティングに関わっている方であれば、おそらくご存じかと思いますが、Naverは韓国で生まれた検索エンジンで、実は2001年から、日本でも検索サービスの提供を行っていたのですが、2005年に、一度、日本から撤退をしています。ちなみに、Naverを運営しているのは韓国のNHNという企業ですが、オンラインゲームの「ハンゲーム」を運営している会社、と言った方が、わかりやすいかもしれません。
このNaverが、今年、日本に再上陸を果たしました。現在はまだ「オープンβ版」という形ですが、今年の7月から、日本語による検索サービスの提供を始めています。この新装Naverで注目されているのが「まとめ」という機能です。簡単に言うと、「渋谷区富ヶ谷近辺で遅めのランチが食べられるお店」のリンクを「まとめ」て登録しておくと、同じ情報を探している他の人たちとも情報が共有できたり、反対に、これを「お題」として登録しておいて、富ヶ谷界隈に詳しい人たちに、情報を提供してもらうこともできます。
例えるなら、この「まとめ」機能は、「OK Wave」のようなQ&A機能と、「はてなブックマーク」のようなソーシャルブックマーク機能を掛け合わせたようなもの、とでも言えるでしょうか。Naverでは、自社のサービスを「探しあう検索」と表現していますが、検索にソーシャルな要素を組み合わせることで、アルゴリズム検索だけでは見つけづらいニッチな情報に到達できることを目指しているようです。ちなみに、アジャイルメディアの徳力さんによれば、米国の人力検索エンジン「Mahalo」も、Naverのアイデアに刺激を受けて始まったのだとか。
ところで、このNaverですが、韓国ではGoogleやYahoo!を押しのけて、最大のシェアを持つ検索エンジンです。(2009年6月 comScore 調べ)
第二位のDaumと合わせると、実に月間総検索数の82%を国産エンジンが占めており、GoogleやYahoo!は、「その他大勢」の地位に甘んじているという状況です。ただ、検索連動型広告については、Naver・Daumに広告の配信を行うオーバーチュアが大きなシェアを持っています。ちなみに、別の調査によると、中国でも、Baidu(百度)が総検索数の75%近いシェアを占めているとされており、Yahoo!とGoogleあわせて9割近いシェアを持つ日本とは対象的に、中国・韓国では国産エンジンの強さが際だっています。