1年前と比べると、景気回復の兆しも見え始める中、先頃、アメリカでBtoB市場のマーケティング担当者を対象に、2010年の広告予算についてのアンケート調査が行われました。
これによると、全体の39.2%が来年はマーケティング予算を増額すると回答する一方で、削減すると回答したのは13.3%に留まりました。しかしながら、約半数にあたる47.5%が、2010年も「現状維持」と回答しており、景気回復の兆しが本物かどうかを見極めたい、という企業も多いのが現状のようです。実際、2009年においては、全体の57.7%が2008年に比べて広告予算をカットしたと回答していることと合わせて考えると、「現状維持」とはいいながら、実質的には「低位安定」という見方が正しいのかもしれません。
また、予算を増額する、と答えた人たちに対して、どの程度、増額するつもりかについて尋ねると、10%以下の増額という回答が最も多く39.0%、次いで10〜19%という回答が31.1%となっており、ここにもマーケターの慎重な姿勢が見え隠れしています。なお、増額した予算の使い途(複数回答)について尋ねたところ、
・インターネット:73.4%
・ダイレクトメール:38.0%
・イベント:35.7%
という順序となっており、また、インターネットの内訳(複数回答)については、
・サイト製作:70.7%
・Eメール:68.6%
・SEM:62.3%
となっています。
一方、広告予算を執行するにあたって、重視する目的は何かという質問に対しては、新規顧客の獲得が最も多く61.0%で、以下、既存顧客の囲い込みが15.5%、ブランディングが15.0%と続いています。
調査を実施したBtoB Magazine社では、こうしたマーケターの動きについて
「景気の先行きについては、いまだ不透明感が払拭できない中、多くのマーケターは、予算の執行にあたり、新規顧客の獲得という最も堅実な目標を設定した上で、インターネットにおいては、サイトの作り込みに予算を増やす一方、EメールやSEMなど、コンバージョンに直結しやすい媒体への出稿を増やそうとしている。一方、オフラインでは、ターゲットしたセグメントに対するダイレクトメールを強化したり、イベントで、潜在顧客とのFace-to-Faceでのコミュニケーションを図ろうとするなど、『原点回帰』によって、この難局を乗り越えようとしてるのではないか。」
と総括しています。
実際、弊社がSEMのお手伝いをさせて頂いているクライアント様の中には、サイト制作や運営に関わるツールやサービスを提供している企業も多くありますが、今年の後半以降、こうした企業の受注はいずれも増加傾向にあり、中には、これ以上問い合わせや依頼が来ても対応できない、という嬉しい悲鳴を上げておられる先もあるほどです。
一方、この時期に、サイト制作に投資をしようとする企業の多くは、「今どきサイトくらい持っていないと」といった曖昧な目的ではなく、オフラインで減った売上をネットで取り返そうという、真剣かつ喫緊のニーズを抱えているケースが少なくありません。
従って、サイト制作や、その後のプロモーションを受託する企業においても、いかにして売上をあげるか、また投下した広告費に対する費用対効果をいかにして高めるかといった課題に対し、これまで以上に、しっかりとした提案力や問題解決能力が求められることは言うまでもありません。
弊社でも、ネットマーケティングのプロフェッショナル集団として、スタッフ一同、こうしたクライアント様の想いに、少しでもお応えできるよう、2010年も精一杯努めて参る所存です。当ブログ読者のみなさまにおかれましては、明確な数値目標の設定と費用対効果の分析、そして、SEMへの適正な予算配分により、2010年も、ライバルを押しのけ、更なるビジネスの発展を遂げられますよう、心より、お祈り申し上げます。