2012.5.02

ニュースレター・ブログでも何度かご紹介している通り、ルグランは、3月21日に、ビッグデータを活用するための情報ブログ「i love data.jp」を開設いたしました。その開設を記念して、4月23日(月)に、「i love data – データを愛することから始めよう!」と題したセミナーを開催いたしました。

弊社代表取締役泉と、ゲストにお迎えした株式会社エム・データ 取締役小口日出彦氏、株式会社ホットリンク代表取締役社長内山幸樹氏がビッグデータをどう扱うかにについてそれぞれの角度から講演。
当初の予定をはるかに上回る参加のお申し込みに急遽定員を増枠し、生憎の雨でしたが、多くの方にお集りいただいて、ビッグデータに対する関心の高さを改めて感じるものとなりました。

当日のセミナーの内容を、2回に分けてご紹介いたします。
(セミナー開催に先立って行われた登壇者3名による事前トークの内容は、こちらをご覧ください。)


■「『i love data.jp』開設のご挨拶」 株式会社ルグラン 代表取締役 泉 浩人

まずは、泉より、『i love data.jp』開設の背景について説明。日々ネットや新聞を賑わせている「ビックデータ」について、それ自体は何かを解決してくれるものではなく、データを分析することで、「Economic Value(経済的価値)」を産み出すマーケティング施策を導き出すという「科学的マーケティング」を可能にしたのが「ビックデータ」であることをお話しました。

【泉より「i love data.jp」開設の背景について説明】

更に、今後求められるのはデータからストーリーを見つける力であり、ビッグデータの活用に関する理解を深めるため、まずは「データって面白い」と思ってもらえるような啓蒙・情報発信を目的に「i love data.jp」を開設した旨をお伝えしました。

■「情報の見方・見え方 ~TV/ソーシャルメタデータから『情報のうねり、潮目、強さ弱さ』を読む~」

株式会社エム・データ 取締役 小口 日出彦 氏

最初にご登壇いただいた小口氏からは、まず、情報はいくらでも転がっているが、見る側の意思によって見方・見え方が変わってくる、更に、データは意図を持って科学的に扱うことが重要であるとお話しいただきました。

人間の経験と勘は、意図を持って情報に接した場合、正しい結論を出すことが多いのですが、その結論は主観的なので受け容れられにくかったり、間違ったりすることもあって、その主観的な結論を客観的に裏付けていくことが、ビッグデータによって可能になったのが今の時代なのだそうです。

そして、ビッグデータ分析の実例として、同社が持つテレビメタデータを解析して、ニュースのキーワードやTVCMを時間毎、日毎、月毎、その他の切り口でグラフ化することで、世間の流れや、CMであればその広告戦略など、様々なことが見えてくることを、多くの事例をあげながら説明してくださいました。

【情報は見る側の意思によって見方・見え方が変わってくると語る小口氏】

ビッグデータを使って、ヒット現象や選挙の当落予想まで科学的に分析出来るのだそうですが、選挙が予測出来るということは、商品やタレント、CMのヒットの予測にも使えるということで、今後、CMについて、どんなCMが強いのか、弱いのか、どんなCMがヒットするのかなどのCMの強弱を研究され、その結果は、「i love data」のブログで発表してくださるそうです。

■「ソーシャルメディアからはじめるビッグデータ分析 ~事例からみるビジネス化のコツ~」

株式会社ホットリンク 代表取締役社長 内山 幸樹 氏

次にご登壇いただいた内山氏は、2,600万人のブロガー、1,000万人のTwitterユーザーなどが日々発するソーシャルメディアのデータを、リアルな世界をネットという鏡に投影したものと考え、そのビッグデータが24時間リアルタイムに解析できるということは、リアルな人々の頭の中が覗けるくらいの技術であると表現。

小口氏と同じく内山氏も選挙の例を挙げ、2009年からネットのクチコミ分析による選挙予測を始めてから、試行錯誤を繰り返し、かなりの精度で選挙予測ができるようになっていることを説明されました。
そして、ソーシャルデータマイニングをゴールドラッシュに喩え、ソーシャルデータは金鉱であり、データを集め、サンプリングして、いろいろなフィルターをかけてモデルを作れば、選挙と同じように売上予測や映画の興行成績予測なども可能になっているとお話しされました。

更に、例えばTwitterから「カゼ」というキーワードを集め、人工知能を使って、カゼを引いているのか引いていないのかを分類し、カゼの流行具合を可視化できるほど技術は進んでいる一方で、例えば、マスクの生産には3ヶ月かかるため需要予測にはそのデータが使えないなど、ビジネスに繋げるにはまだまだ課題があることもお話しくださいました。

【ソーシャルデータマイニングを「21世紀のゴールドラッシュ」と表現する内山氏】

ビッグデータを活用してビジネスに繋げていくには、多くの課題はありますが、市場調査や自社製品をクチコミで広げるなどのマーケティングの活用は比較的簡単にできるこの時代を、最後にもう一度「21世紀のゴールドラッシュ」と表現し、これからは、仮説を立て、その検証に有効なデータが何なのかを結びつけられる人が勝っていくとして話を締められました。

続く、泉の講演とパネルディスカッションの模様は、来週のブログでご紹介します。

どうぞお楽しみに!

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