ブログやTwitterの書き込みから、人々の気持ちを読み解くといった手法やサービスに注目が集まっています。弊社でも、ホットリンク さんやエム・データ さんなどと一緒に、昨年から、ビッグデータの活用事例などをご紹介する”i love data “というプロジェクトに取り組んでいます。
一方、こうした『ビッグデータ』ブームの中で、意外に見逃されている感じがするのは検索データです。
今から約8年前に出版された『ザ・サーチ グーグルが世界を変えた 』(ジョン・バッテル著・日経BP社刊)で、著者は検索エンジンをして「意思あるデータベース(Database of Intentions)」と表現したように、検索キーワードには、「私はこれが欲しい。」「私はこれを探している。」という消費者の明確な意思が込められています。
従って、検索キーワードや検索動向を分析することで、消費者の「意思」がどこに向かっているのかを把握することができるはずです。
下図は、「Googleトレンド」というサービスを使って、「母の日」と「父の日」というキーワードの検索回数の推移を昨年1月〜6月について調べたものです。
昨年の母の日は5/13(日)でしたが、「母の日」で検索する人は3月の中旬くらいから増え始めていることが分かります。 一方、「父の日」の検索が増え始めるのは、「母の日」が終わってからということで、お父さんへのプレゼントは、『まずはお母さんのことが済んでから』ということになっているようです。実際、昨年1月〜6月の検索回数を比較してみると、「母の日」は「父の日」の1.47倍となっており、やはりお母さんの優位は揺るぎません。 (苦笑)
一方、ホットリンクさんが提供する「クチコミ@係長 」というツールを使って、昨年同時期の「母の日」「父の日」に関するつぶやきの推移を調べてみると、下図のようになります。
これを見ると、検索に比べて「母の日」「父の日」の周辺にピークが集中しており、ブログについても概ね同じ傾向です。また、同じくクチコミ@係長 の分析機能を使って、「母の日」「父の日」に関するブログの書き込みの中身を、調べてみると、下図の通り、「母の日」に関する書き込みの方が、「父の日」に比べてポジティブな内容のものが多いことが分かります。
「父の日」に関するネガティブな書き込みの中身を見てみると、「何を買ってあげて良いか分からない」といった書き込みのほか、「せっかくプレゼントをあげたのに喜んでもらえなかった。」といった書き込みも目立ちました。
ちなみに、Tweetの数でも「母の日」は「父の日」の1.71倍と大きな差がついていますが、これは、反応の悪いお父さんよりも、お母さんが優先されてしまっているということなのかもしれません。プレゼントをもらって喜んでいない訳では無いのでしょうが、感謝の気持ちを上手く表現できないニッポンのお父さんたちのコミュニケーションスキルが問われているようですね。
こうしてみると、検索データからは、「母の日」のプレゼントなどを能動的に探し求める人たちが、3月中旬から動き始めていることが見てとれる一方、Twitterやブログのクチコミデータからは、母の日や父の日を迎えての心境が多く綴られているという点で、クチコミデータは『感情あるデータベース(Database of Sentiments)』と言えるのかもしれません。
まもなく「母の日」ですが、どうぞみなさん「父の日」もお忘れなく!そして、ご同輩のお父さんたち!プレゼントをもらったら、ちゃんと反応しましょうね!
(by Rod Hiroto Izumi, Founder & Co-CEO, Le Grand)