先月AdWords公式ブログより、AdWordsでデバイスをまたいで発生した推定のコンバージョン数が計測できるようになったとの発表がありました。
既に多くのAdWordsアカウントで「クロスデバイスの推定コンバージョン」という指標が確認できるようになっていると思いますので、一度見てみることをお勧めします。
この指標により、広告がクリックされたデバイスと異なるデバイスやブラウザで達成されたコンバージョンを推定することが可能となります。
AdWordsが紹介しているデバイスをまたいだコンバージョン例として、下記の2例を紹介していますので引用させていただきます。
<デバイスをまたいだコンバージョンの2つの例>
- 家族旅行を計画中のユーザーが、朝の通勤電車を待っている途中に携帯電話を使い、Google で行き先候補を検索します。このユーザーは「ホノルルのホテル」の広告をクリックし、表示されたウェブサイトが気に入りました。仕事を終えて帰宅した後、今度はタブレットからウェブサイトにアクセスし、滞在するホテルの予約を行いました。
- 仕事場のパソコンを使用しているユーザーが、映画のチケットの購入に関する広告をクリックします。その後、どの映画を見るか決めてから、自宅のパソコンを使用して広告のリンク先ページに戻り、チケットを購入しました。
当指標は“Google にログインしたユーザーの集計データ”から推定されているとのことです。一例として下図キャンペーンをデバイス別掲載結果に分けて、クロスデバイスの推定コンバージョンを見てみます。
PC、スマートフォン(フルインターネットブラウザ搭載の携帯端末)の全体の総クリックスルーコンバージョン(以下、総CV)に占める割合としてはPCが多い(全体98件中74件)ので、PCが主なCV貢献デバイスであることは明確です。
一方で、各デバイスの「総CV:クロスデバイスの推定CV」の比率をみると、
・スマートフォン:総CV20件+クロスデバイスの推定CV4件(総CVの20%)
・PC:総CV74件+クロスデバイスの推定CV5件(総CVの6.8%)
となっています。
つまり、スマートフォンでは総CV 20件とは別にさらに+20%のクロスデバイスの推定CVが発生しており、PCに比べてクロスデバイスの推定CVの割合が高いことが分かります。
換言すれば、この場合スマートフォンはPCに比べて、これまで把握できていた総CV以上にCV貢献をしている可能性が高く、成果を評価する際には、「総CV + クロスデバイスの推定CV = 推定合計CV」で算出される推定合計CVをみることが必要といえます。
あくまで推定指標ではあるものの、スマートフォンがコンバージョンの“起点”となる一方、最終的にPCで購入手続きが行われるケースが多い商材においては、これまでは数値上スマートフォンのコンバージョンは少なく、「貢献度が低い」、「効果が不透明」と言わざるを得ませんでしたが、当指標によって、スマートフォンへどれほど広告予算を投資すべきかどうか判断しやすくなります。
(by 桑原 達彦・コンサルタント)