既に実際に管理画面でご覧になった方も多いと思いますが、アドワーズでは今年4月末より品質スコアの透明性が向上 し、品質スコアの情報が詳しく表示されるようになりました。
[キーワード]タブから表示されるキーワードのステータスアイコンをマウスオーバーすると従来の10段階の数値スコアに加え、品質スコアの主な要素に関する個別の評価が新たに表示されていることが確認出来ます。
今回の品質スコアの透明性向上により、品質スコア の主な決定要素である 「推定クリック率」、「広告の関連性」、「リンク先ページの利便性」の(他の広告主と比較した)相対評価を把握することが可能です。
相対評価は3段階(平均値、平均より上、平均より下)で表され、各指標の評価が”平均より上”であるほど、品質スコアの値は大きくなります。(なお、今回のアドワーズの機能変更では品質スコアや広告ランクの計算方法が変更されたわけではありません。)
先日のブログ記事(AdWords広告グループレベルでのインプレッションシェア)でもご説明した通り、掲載順位を決定する指標である広告ランクは主にキーワードの入札価格と品質スコアによって決まるため、入札価格を引き上げるまたは品質スコアを向上させることで、広告ランクが上昇し、広告の上位掲載が可能となります。
従って、品質スコアを向上させることが出来れば、入札価格を引き上げることなく広告の上位掲載が可能となるほか、既に上位掲載が出来ているキーワードに対してはクリック単価の低下が生じ、広告の費用対効果の改善にもつながるといえます。
従来は品質スコアの数値のみ表示されていたため、品質スコアが低い場合に、「主な決定要素のどれがボトルネックになっているか」といったところまでを明確に判断することは困難でしたが、今後はこれらの指標の相対評価を活用することで品質スコアを向上させるための具体的な改善案が立てられるようになります。
例えば、広告の関連性の評価が「平均より下」であるために(キーワードとそのキーワードを検索したときに表示される広告との関連性が低いために)品質スコアが低いとされている場合、そのキーワードに密接に関連した広告へ変更することで品質スコアの向上が可能となります。
具体的には、(広告自体は広告グループ単位で作成するため、一般的には広告グループ下の“複数の”キーワードに対して広告が設定されている状態ですが、)そのキーワードを別の広告グループで管理し、“個別の”キーワードに特化した広告を作成することで、キーワードと広告の関連性が向上し、結果的に品質スコアの向上が期待できます。
このように、品質スコアの透明性が向上したことで、品質スコア低下の要因特定、さらにその要因に応じた改善アクションを実施することが可能になったといえます。
(by Tatsuhiko Kuwahara, Consultant, Le Grand)