2014.5.08

今までは、アドワーズでユーザーリストを作り、そのリストに登録されているユーザーにリマーケティングで自社商品やサービスをアピールする配信方法が多く利用されてきました。今回は、リマーケティングのユーザーリストを基に、類似ユーザーに自社商品やサービスをアピールする方法を紹介します。


【類似ユーザーリストの定義と実績】

類似ユーザーは、リマーケティングユーザーリストに登録されているユーザーと似たようなプロファイル[1]を持つ新たなユーザーと定義されています。アドワーズで類似ユーザー機能を利用することにより、新たなユーザーにリーチすることが可能となります。ブランド認知を広げたい広告主として、一つ有効な出稿手法だと思われます。

また、海外の実績によると、類似ユーザー機能を通じて、平均3倍のクリック数の増加が成功事例として挙げられています[2]。弊社のクライアントでも類似ユーザー機能を利用した結果、クリック数は一般リマーケティングより、約2.2倍の増加となりました(実施期間:10日間)。

[1] プロファイル:検索キーワード・閲覧したサイトなど、クッキー(Cookie)に含まれるあらゆる情報となります。
[2] 出所:http://www.searchenginejournal.com/introducing-adwords-similar-audiences-targeting/60183/

【類似ユーザー機能の使用条件】
類似ユーザー機能を利用したい場合、以下の2つの条件が必要となります:

1. ディスプレイネットワークのみ使用可能
2. リマーケティングユーザーリストの登録数(Cookie数)が少なくとも500人以上が必要

基本、以上の2つの条件がクリアできれば、類似ユーザー機能が使えますが、実際利用する場合は、上と別に補足条件が必要だそうです。

まず、上記の通り、類似ユーザーは現存のリマーケティングユーザーリストと似たようなプロファイルを持つユーザーと定義されています。もし、現存のリマーケティング対象となっているユーザーのプロファイルと類似するユーザーがなければ、条件1,2をクリアしても類似ユーザー機能が使えない可能性があります。また、ユーザーリストのクッキー数が多ければ多いほど、類似ユーザー機能が使える可能性が高くなりますので、現在登録しているユーザーリストより広めなリストを作成することをお薦めします。

次に、リマーケティングをすでに利用している方は、組み合わせユーザーリストを利用していると思われます。しかし残念ながら、アドワーズは現在、組み合わせユーザーリストに対して類似ユーザー機能は対応していませんので、もし組み合わせユーザーリストしか作成していない場合、新たなユーザーリストを作成する必要があります。

【類似ユーザー機能詳細設定】
ここでは、リマーケティングキャンペーンに新たな広告グループを追加するケースを解説していきます。広告グループ→「ディスプレイネットワーク」をクリック→「ターゲティング方法」をクリック(図1)。次に、ターゲティング方法の右側のペンマークをクリックすると(図2)、図3のようなターゲティング選択画面が出てきます。そこで、「リマーケティングリスト」を選択し、「コンバージョン(CV)履歴有りの類似」をクリック→「保存」をすれば、類似ユーザーをターゲティングとしたディスプレイ広告配信ができるようになります。

【図1】
【図2】
【図3】

以上が類似ユーザーターゲティングの説明となります。

弊社のクライアントも、長くリスティングをやってきた場合、コンバージョンを効率よく獲得していますが、検索数への伸び悩むことが多くあります。その場合、弊社は、ブランド認知を拡大させ検索数の増加を図っていくために、類似ユーザーターゲティングをお薦めしています。類似ユーザーターゲティングをご検討の際はどうぞお気軽にご相談下さい。

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メール:info@LeGrand.jp
電話:0120-066-898(フリーダイヤル)
(by 黄偉欽 コンサルタント)

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2014.4.10

SESロンドン2日目の基調講演に登壇したのは、Googleヨーロッパで、広告商品の企画・設計などを担当するディレクター、Ian Carrington氏。

Googleに入社する前はAlta Vista(=アメリカで産まれた検索エンジンで後にOvertureが買収)にいたというCarrington氏のミッションは、広告主のROI向上に寄与するような広告サービスの提供。

【Googleの広告商品の設計思想について語るCarrington氏】

まずは、いまGoogleが目指しているものは、『どこで、誰に、何を聞かれても正しい答えが返せるようになること。さらにその先には、何を知りたいかを聞かれる前に分かるようになること。』であり、例えば、「ナレッジグラフ 」のようなサービスの提供も、そうした「野望」を実現するための一つのステップであるという話から始まりました。

そして、Carrington氏が担当する広告商品の設計にあたっても、そうした思想は活かされているとした上で、Googleの広告商品設計に関する3つの基本方針を紹介しました。

【Googleの広告商品戦略を規定する3つの基本方針】

Be There

目的やシチュエーションに応じて、様々なデバイスを自由に使い分ける、今日の消費者行動を考えた場合、どんなデバイスにも最適化されたフォーマットで広告が配信できることは不可欠の要素であると。

実際、英国では、モバイル経由のトラフィックが売上に与えるインパクトが非常に大きくなっており、大手小売チェーンTESCOのネット売上の1/3はモバイル経由になっており、また、老舗百貨店John Lewis では、クリスマス商戦時のトラフィックの実に3/4がモバイル経由だったそうです。

もはや、『モバイル戦略を考えないということは、将来のことを考えていないのと一緒』とまでCarrington氏は言い切ります。

Be Relevant

一方で、広告の費用対効果を高めるためには、適切なオーディエンスに対して広告が配信されるような仕組みが非常二大切であるとも言っています。たとえば、モバイル端末利用者の位置情報に基づき、広告配信ルールを見直しただけで、ROIが劇的に改善することもあると。

Be Optimized

とはいえ、いくら広告を配信するターゲットの選定が正しくとも、その広告を通して伝えるメッセージが適切出なければ、費用対効果の改善は望めません。

一方で、最適化を進めようとすると、どこかでプライバシーの保護という問題にも行き当たることになり、講演後のQ&Aでは、Googleが、法的・倫理的な観点から、広告配信の最適化とプライバシー保護という問題に、どう折り合いをつけるかを、慎重に検討している、といった点にも言及していました。

今後、Googleが、適正な収益の確保を図りながら、サービス利用者の利便性や権利、そして広告主の費用対効果という、ともすれば相反しがちな3者の利益について、どうバランスを取っていくのかが注目されるセッションでした。

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