2008.4.02

3/5に「モバイル通信するのは上流?」というエントリーをアップしましたが、アメリカでも、検索エンジンの利用と「社会格差」に関する興味深いレポートを見つけましたので、ご紹介したいと思います。

この調査は、英国のHitwise社が行ったもので、インターネット利用者全体の平均的な分布に対して、グーグルのヤフーの利用者層には、どのような偏りがあるかを調べています。左上はヤフー、右下はグーグルにおいて特徴的な利用者像を表しています。

chart

これを見ると、ヤフーの利用者は、全体の平均に比べて、いわゆる貧困層や労働者階級の比率が高いのに対し、グーグルの利用者には、富裕層が多いという傾向があることが分かります。

また、グラフ上の丸の大きさは、インターネットで$500以上の買い物をした事がある人がどれだけいるかを示していますが、当然、富裕層の多いグーグル利用者の方が、ネット上でより多くのお金を使っているという結果となっています。

これだけを見ると、「グーグルを利用する人は上流」といった見方もできる反面、同時に行われた利用者の年代別分布に関する調査結果を見ると、ヤフーでは25-34歳の利用が最も多いのに対し、グーグルの利用者は35-44歳が最も多く、45-54歳を合わせると全体の約43%を占めるという結果となっています。

つまり、ヤフーは、若年層の支持を集めているがゆえに、結果として、利用者の所得水準も低くなってしまうという側面もあるようです。

日本でも、携帯電話が若年層の支持を集めていますが、その結果、PCと比べて、モバイルコマース市場の成長可能性には限界が生ずる、といった議論は成り立つのでしょうか?今後のモバイルコマース市場に関する調査レポートなども見ながら、また別の機会に検証してみたいと思います。


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2008.2.27

YSM

米国で「オーバーチュア」は、Yahoo! Search Marketing(YSM)と名前を変えてサービスが提供されていますが、日本ではまだオーバーチュアの名称が使われていますので、以下、YSM=オーバーチュアということで話を進めさせて頂きます。

さて、昨日、そのYSMのブログに、オーバーチュアの最低入札が、現行の一律10セントから、今後数週間以内に、キーワード毎に異なる最低入札価格が設定される方式に変更されるというエントリーが掲載されました。簡単に言えば、掲載順位の決定方式に続いて、最低入札価格についても、グーグルのアドワーズと極めて似た方式に近づく、ということになるようです。

これにより、各キーワードに設定しているクリック単価が、最低入札価格を下回った場合、当該キーワードの掲載はストップしてしまいますので、今後、広告主は、アドワーズだけでなく、オーバーチュアについても「気がついたら大事なキーワードの掲載がストップしていた」といったことにならないよう、これまで以上に、こまめに掲載状況をチェックしていくことが必要になるでしょう。(ちなみに、このルールが日本のオーバーチュアにも適用されるかどうか、現時点では不明ですが、米国では、掲載がストップしそうになると、その数日前にダッシュボードで警告してくれる機能も併せて実装されるようです。)

また、個々のキーワードについて、最低入札価格を決定する要素は、以下の2つとされています。

1. Quality(品質)
基本的にはクリック率が高いほど、高い掲載順位と低い最低入札価格が設定される「可能性」が高くなるようです。

2. Value(価値)
こちらはもう少し複雑なようですが、要するに、競合する広告主が沢山いるキーワードほど最低入札価格は高くなる可能性が高いということのようです。

ちなみに、この点について、YSMのブログでは、サザビーなどのオークションを例にとって、有名な画家によって描かれたものや、希少価値の高い作品は、高い入札価格が付けられるように、広告主にとって価値の高いキーワードの最低入札価格も高くなるのが当然、といった説明がなされています。

でも、これは要するに「人気の高いキーワードからはガッツリ儲けさせてもらいます」と高らかに宣言しているようなもので、広告主にしてみると、何一つ良い事はないように思えるのですが、これは広告主ではなく、Yahoo!の株価低迷にいらだつ株主に向けて発信されたメッセージと解釈するのが正しいのかもしれませんね。。。


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