7月31日(火)、株式会社インフォキュービック・ジャパン とルグランの共催によるセミナーが開催されました。
今回は、「変化し続ける市場で一歩先をいくために必要な実践的デジタルマーケティングとは」をテーマに、インフォキュービック・ジャパン代表取締役 山岸氏と弊社代表 泉が、今春参加したSESロンドンとニューヨークで得た最新の業界情報やデジタルマーケティング戦略についてお話しました。
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■「検索エンジンマーケターに求められる意識改革~SEM先進国イギリスから学ぶ~」
株式会社ルグラン 代表取締役 共同CEO 泉浩人
SESロンドンに参加した泉からは、経済規模、広告市場ともに日本の約1/3であるイギリスが、ネット広告市場だけを見ると、日本を大きく上回る高い成長率を続ける点に着目、その要因について、今回の視察から得た知見をお話しました。(イギリスのネット広告市場についてはこちらのコラム をご覧ください)
日本では、ネット広告市場の伸び率が鈍化する原因のひとつに、「検索の枯渇」があげられますが、ネット大国イギリスにおいては、新たなデジタルマーケティング戦略が、その成長を支えているといえます。その戦略の根本となっているのが、SESロンドンの基調講演で登壇したAvinash Kaushik 氏が提唱する「エコノミックバリュー」思考です。直接コンバージョンにつながるマクロコンバージョンだけでなく、間接的に効果のあるマイクロコンバージョンもあわせて評価しましょう、という考え方は、「ディスプレイ+検索」を組み合わせた施策に活かされ、興味・関心を引き起こすディスプレイ広告が検索を誘引する効果が生まれているとお話しました。
そして、RTB(Real Time Bidding)やターゲティングがカギとなる、新たなディスプレイ広告が台頭し始めた今、サーチマーケターは、検索で培った入札やターゲティングといったスキルを、ディスプレイ広告でも活かし、検索とディスプレイを組みあわせて、効果をあげていくという戦略を立てることが大切であるとお伝えし、セッションを終了しました。
■本場、米国のSEO最新事情とウェブ担当者が考えるべき今後のGoogle SEO対策
株式会社インフォキュービック・ジャパン 代表取締役 山岸ロハン氏
続いて、山岸氏から、SEO対策におけるGoogleアルゴリズム(パンダ、ペンギン)とスパムの対応方法についてお話いただきました。
最近日本でも導入されたパンダアップデートでは、Googleの検索結果の品質を高めることが目的であるため、サイトのコンテンツの内容が評価されることがポイントであると山岸氏は言います。これまで、SEO対策というと、裏ワザやテクニックといった検索エンジンの裏をかいた対策に注力しがちでしたが、コンテンツが評価される今、テクニックレベルではなく「有益なコンテンツ」をつくることが重要になってくるとお話されました。
一方で、リンクからのSEO対策が求められるペンギンアップデートでは、リンクの質もさることながら、その貼り方にも注意が必要であることを事例を紹介しながら説明され、スパムと判断され警告を受けたときは、警告の解除に向けて早急にアクションをおこし、その後のランキングに影響を与えないことが大切であるとアドバイスされています。
そして、今後は、SEO対策にはテクニックだけでなくコンテンツ戦略が求められることから、SEO運用部隊は、企業の中で技術部門のトップであるCTO(chief technology officer)ではなく、CMO(chief marketing officer)の傘下に置かれるべきだとして、講演を締めくくりました。
最後のパネルディスカッションでは、会場からの質問に2人の登壇者が回答する形式で進められ、「ディスプレイ広告+検索」の効果がでるまでの期間や予算等の具体的なお話や欧米のネット広告に関する話題が取り上げられ、盛況のうちにセミナーが終了しました。
なお、ルグランでは、ロンドンに引き続き9月に開催されるSES香港への視察旅行を企画しました。現地では日本語でのTwitter解説があるので、英語が苦手な方も安心してご参加いただけます。ご興味がある方はぜひ、ご参加ください。
「ルグランと参加するSES香港」の詳細はこちら