2007.5.16

「入札しているキーワードの価格が100円を超えてしまったのですが、入札をやめるべきでしょうか?」

こうした質問をセミナーに参加していただいた方から受けることがあります。

その場合は、必ず「100円のキーワードをクリックして、サイトを訪れた人のうち、実際に商品を購入したのは何人ですか?」とお聞きします。これはオーバーチュアやGoogleのコンバージョン*測定ツールを利用していれば、回答できるはずです。しかし、回答できるのは二人に一人。

*コンバージョン:広告をクリックした購入に至った顧客数

何人購入したかがわからなければ、100円という入札価格が適正なものかどうか判断できません。実は50円でも高すぎるのかもしれないのです。

コンバージョン測定を行っていないということは、妥当な入札価格を判断できない状態で、検索連動型広告を出しているということ。計器を見ずに、飛行機を操縦しているような、そんな危険な状態なのです。

たとえば…

キーワードの入札価格:100円
検索連動型広告をクリックしてサイトに訪れた人の数:100人
購入した人の数:1人

とすると、
1人の顧客を100円×100人(回)=10,000円をかけて、獲得していることになります。

この場合1人の顧客に対して10,000円以上の収益を得られていれば、100円の入札価格は適正といえるでしょう。

しかし、8,000円しか収益を得られていなければ、獲得コストが高すぎるということになります。

安価なキーワードへの入札価格を増やして、平均入札価格を下げるか、検索連動型広告をクリックして来店した見込み客が、購入に至る確率を上げるために、サイトや、取扱う商品やサービスを見直すなど、顧客の獲得コストを抑える方策を講じなければなりません。


※この記事は、Web STRATEGY vol.4の執筆記事を再編集したものです。






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2007.5.16

検索ユーザを絞り込めない、ビッグキーワードを選んだ場合、クリックによって広告費発生するが、ユーザの意図と提供する商品やサービスが合致せず、売り上げにつながない可能性があります。

こうしたリスクの分析には、ひとつひとつのキーワードについての効果測定が不可欠なことは、言うまでもありません。

加えて、キーワードの入札時に大切なのが、リスクの異なるキーワードをうまく交ぜ合わせて、リスク(コスト)とリターン(集客・売り上げ)のバランスを最適化するための「ポートフォリオ*」を組むことです。

株式投資する際に、一攫千金を狙ってすべての資金をベンチャー企業に投資するよりは、業績や株価が安定した大企業にも分散投資するほうが、長い目で見ると安定して収益が上げられるという理屈と同じです。

*ポートフォリオ:安全性や収益性を考えた、有利な分散投資の組み合わせ

適正なポートフォリオを組むことを考えると、入札するキーワードは、概念の広いキーワードから複数語を組み合わせて絞り込んだものまで、すべて合わせて100~200個は用意したいところです。10~20個程度の少ないキーワードで、適正なポートフォリオを組むのは困難だからです。

実際、ネットショップで取扱い商品が10~20個ということは、まず稀でしょうから、すべての商品ラインアップと、それぞれに関連するキーワードを組み合わせていけば100~200個のキーワードを拾い出すことは、そう難しくはないでしょう。


※この記事は、Web STRATEGY vol.4の執筆記事を再編集したものです。





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