2011.6.10

2010年7月のYahoo! Japanの発表から約一年が経ちますが、ご存じのとおり、この秋にはスポンサードサーチが新しいバージョンへと移行となります。スポンサードサーチは登場してからこれまで一度だけ大きなバージョンアップを行い、2002年のローンチを第一世代、2007年のコードネームパナマと呼ばれたバージョンアップを第二世代として、今回のバージョンアップをVer.3と位置付けています。

まだ詳細なスケジュールは発表されていませんが、秋といえば最短で三カ月後の9月?と言う可能性もあり、この機会に今まで発表されている新機能のおさらいと、ルグランスタッフがお勧めするアカウントの移行準備方法について、シェアさせて頂きたいと思います。

既に広告主の皆さまにもYahoo!リスティング広告により「移行ポータル」と言う、情報提供サイトが公開されていますが、同サイトでは今後、移行に関するスケジュール、アカウント毎の移行情報、スポンサードサーチ Ver.3に関連する資料や、移行および移行後の運用に関するトレーニング情報が提供されるので、この機会にぜひ内容を確認してみる事をお勧めします。

「移行ポータル」にアクセスするにはYahoo!ビジネスIDの取得が必要となりますが、移行後のスポンサードサーチ Ver.3についても、現在のログインIDでは無くYahoo!ビジネスIDが必要となりますので、まだ登録がお済みで無い方はこの機会に取得されて置いた方が良いでしょう。

スポンサードサーチ Ver.3の大きな目的は、既存の米国Yahoo! Inc. 製の検索連動型広告配信システムを米国Google Inc. が提供するシステムへ切り替えると言う事ですが、この移行に伴い、管理画面の使い勝手や、広告の配信方法についてまでかなり細部まで見直しが行われる模様です。Yahoo!が既に発表しているスポンサードサーチ Ver.3の新機能や機能改善についての4つのポイントと、その内容について見て行きましょう。

  1. 管理画面がさらに使いやすく、現在の管理画面の利便性を保ちながら、より運用を効率化するためにユーザビリティを改善
  2. 現在と同等以上の広告効果をより少ないキーワード数で実現する為に、「広告配信」に関連するさまざまな機能を強化
  3. より効率よく広告を届けるために、「ターゲティング」機能を大幅に強化
  4. いろいろな角度で広告キャンペーンを分析可能に、「レポート」機能をさらに強化して広告主のマーケティング活動全体をサポート

広告主の皆さまの日々の運用に一番影響があると思われる、管理画面については、ひと目で数値を確認しやすい一覧性に優れた画面構成を採用して、キャンペーンや広告グループ間の移動や階層変更による画面の遷移回数を極力減少させた画面構成により、効率的なキャンペーン管理が可能になり、運用の負荷を軽減されるのも大きなプラス要素です。また、リスティング広告の運用には不可欠となる、次のアクションへ移りやすい導線設計も用意されていて、多種多様な機能をわかりやすく使える様になります。

キーワードレベルでは、今までと同等以上の広告効果を最小限の運用負荷で行えるよう、配信精度の向上、マッチタイプの拡充、サポート機能の強化など、サービスの拡充を行う予定ですですが、具体的には、マッチタイプの見直しや、キーワードやマッチタイプの選定をサポートするツールが提供される模様です。

現在のスポンサードサーチは「完全一致」と「部分一致」の2つのマッチタイプをサポートしていますが、これに加え、アドワーズやパナマ以前のスポンサードサーチをご利用されていたお客様にはなじみの深い、「フレーズ一致」が追加されます。また、部分一致に関しては、部分一致の拡張を制御する「絞り込み部分一致」機能の追加が予定されているため、こちらも新しいマッチタイプと見ても良いかもしれません。

完全一致に関してこれまで使用されていた辞書機能が無くなる事が発表されています。これにより、「語句の基本形」が無くなり、例えば、「引っ越し」=「引越」と基本形として判別されていた入札キーワードが、「引越」の場合には検索キーワードが「引っ越し」や「引越」の場合は完全一致としてマッチしなくなりますが、この点は現在のアドワーズ広告に近いと考えられます。

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「語句の基本形」が無くなる例

広告配信に関連したその他の機能改善としては、モバイル向け地域ターゲティング、時間帯、曜日別の配信設定や、スマートフォンへの対応が発表されていますが、時間帯を指定して入札価格を変更する機能も合わせて提供されるので、いままで以上に費用対効果を考えた入札価格設定が可能になると思われます。また、配信状況のプレビュー画面も機能が強化され、インプレッションを発生させずに広告掲載確認が可能になり、地域ターゲティングを設定している広告の掲載状況までもプレビューすることが可能になります。

広告配信の結果がレポートですぐに確認できるのもネットマーケティングの特長の一つですが、広告効果を測定するのはもちろん、さまざまなマーケティング活動にも活用できる優れたツールとして活用する事により、キーワードのデータにより把握できる消費者のニーズをダイレクトに表現する事が可能となります。これらの分作業をより効率化する為に、新しいスポンサードサーチでは「レポート」機能をさらに強化して、基本レポートのユーザビリティ向上、レポートのカスタマイズ性向上、コンバージョン測定機能の強化が可能となります。

コンバージョン測定機能に関しては、アドワーズの様に複数のコンバージョンをトラッキングする事が可能となると推測され、サイト内のさまざまなコンバージョンを計測できるようになると思われます。コンバージョンの測定に関しては、今後も注目していきたいと思いますが、これにより広告主の方々に発生する作業としては、これまでのコンバージョンタグの張替え作業が必要となると思われます。新しいタグや設置方法に関しては、別途Yahoo!から発表がありますが、タイミングについては未定ですが、移行後には、新しいコンバージョンタグが正しく設置されているか、購入テストをしてみる事が必要となるでしょう。

最後に、今からでも早くは無い、スポンサードサーチVer.3への移行の準備ついてのポイントを見て置きましょう。ルグランではオーバーチュアにて過去のスポンサードサーチのバージョンアップを担当者したスタッフが多数在籍しているので、その経験から、広告主様が簡単にできる事前のチェックポイントを提供させて頂きます。

  1. 管理画面上のアカウントの登録情報を再確認しましょう。特にYahoo!からの重要なお知らせが送られてくるメール、コンタクト先の電話、会社名等は間違えの無い様にして置きましょう。
  2. 掲載内容の整理整頓、必要の無いキャンペーン、広告グループ、キーワード、広告は削除しましょう。移行を最短時間で終わらせるためにも、不要なリスティングは削除をお勧めします。
  3. キャンペーン名、広告グループ名、広告名は、内容が分かる様にしておく事で、移行後、新システムにて、すぐにキャンペーンの内容が把握できるようになります。
  4. ※既存リスティングの見直しには、是非リステインング編集ツール、リスティングエディターご利用ください。

  5. キーワードの辞書機能の廃止により、「部分一致」に設定するメリットを事前に確認し、場合によっては移行前に完全一致から部分一致への切り替えを行いましょう。
  6. 自社サイトの大幅な改変やリスティング内容の見直しは出来るだけ移行期間を避けられるように、スケジュールが明確になり次第、バッティングが無いか確認しましょう。
  7. 移行スケジュールが確認出来次第、移行期間が自社のサイトの繁忙期や重要なキャンペーンと重なっていないかを確認し、どうしても重なる場合は、Yahoo!側とスケジュール調整をしてみる事も検討しましょう。
  8. リスティングの管理運用に使用しているツールや、管理を委託している代理店が新システムに対応するか、対応スケジュール等を確認して置きましょう。

2007年に行われたパナマへのシステム移行時と違い、Yahoo!からの発表では今のところ広告の文字数や、広告コンポーネントの統合や変更等は発表されて無い為、システムの移行に関してはそれほど大きな混乱は無いかと思われますが、上記の事前準備は最低限必要となるでしょう。スポンサードサーチVer.3の移行に関しては、今後も弊社ブログにて情報を提供させていただきますが、新システムへの移行に関して不安がある客様は、ぜひルグランにお声をおかけいただければと思います。

ルグランのスタッフの多くはオーバーチュア出身者であり、また、ルグランは代理店としてパナマへのシステム移行時にいち早く新システムへ優待移行を完了した、先行移行代理店として選ばれた実績があります。システム移行作業をオーバーチュア側からだけでは無く、代理店側の視点で経験した事のある、経歴の持ち主ばかりですので、移行に関する経験が豊富な弊社に運用をお任せいただければと思います。

参考リンク:
2007/5/16 【ノウハウ】オーバーチュア「新スポンサードサーチ」移行速報:スムーズな移行のためのルール

(by Kenta Umezu, Chief Operating Officer, Le Grand)



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