2012.2.16

2月8日(水)、ルグランと株式会社ロフトワークさんが運営するウェブエキスパート共催による、4回目のワークショップを開催しました。シリーズ最終回となる今回は、「誰もが納得するマーケティングプランを作る~必要なのは突破する力~」をテーマに、数値から改善点を洗い出し、それを解決するためのマーケティングプランの作り方を学んでいきました。

まずは、これまでのワークショップのおさらいからスタートです。ビッグデータの時代、断片的な数字に振り回されず、全体を俯瞰して最適化することが大切であること、しかしながら、可視化できないデータを無視するのではなく、見えないデータをみる力が求められること確認しました。

そこで、参加者の方々には、なぜ、そうした力が必要になるのかを理解して頂くために、Googleが提唱するZMOT(Zero Moment Of Truth)という考え方をご紹介しました。ZMOTとは、消費者が商品やサービスの購入に先立ち、情報収集を始める段階のことを指しています。スマートフォンやソーシャルメディアの普及により、消費者はいつ、どこにいても、かつてないほど簡単に、商品やサービスの価格・品質や口コミでの評判など、幅広い情報を収集できるようになっており、マーケターは、そうした情報収集の段階から、積極的に消費者にアプローチすることが求められています。

この結果、今日、消費者は、さまざまな経路を複線的にたどって商品やサービスの購入に至ることになるため、どういうメディアや広告手法が売上に貢献したのかを、出来る限り正確に把握・評価するには、データとどう向き合うかという新たなリテラシーが求められています。

特に、今後は、分析結果を統合し、そこからターゲットとなる顧客のプロファイルや行動特性を洗い出す「シンセシス(統合)」という考え方が求められるようになるでしょう。データを細かく分析していくことも大切ですが、見るべきデータが膨大になった今こそ、全体を俯瞰してみる力が求められている、ということではないでしょうか。

【アナリシスからシンセシスの時代へ】

続くグループワークでは、参加者の皆様がグループに分かれて、ある商品の昨年の検索データや広告キャンペーンデータに基づき、今年の販促プランの方向性を考えるという課題に取り組んでいただきました。

特に今回の演習を通してお伝えしたことは、ROIを唯一絶対の目標と決めつけないこと。たとえば、既に顕在化した需要を取り込む検索キャンペーンと、まだ商品やサービスを認知していない層に働きかけ、新たな需要を創出するディスプレイ広告のような、いわゆる「プッシュ型」のキャンペーンでは、その目的が異なる以上、同じステージでROIを考えることは適切ではありません。

【グループに分かれてディスカッション中】

また、マルチチャネル、アトリビューションが大事であると言われている一方で、キャンペーン戦略の立案段階では、最初から特定のメディアありきの考え方に陥ってしまう傾向があります。しかし、大切なことは、たとえば、ソーシャル、検索、ディスプレイ広告の中から、どれか一つを選択するといったことではなく、メディアニュートラルなマーケティング戦略とマルチチャンネル分析を一体となって実施し、全体を統一して考えることが、次へのステップにつながるといったことを確認して、今回のワークショップを終了しました。

今回をもってこの4回シリーズのワークショップは終了となりますが、ルグランでは、今後もワークショップやセミナーを定期的に開催していく予定です。開催が決まりましたら、弊社ブログやニュースレター、あるいはフェイスブックページなどでご案内をさせて頂きます。

過去のワークショップのレポートはこちら

第1回:「正しくデータを読み込もう!~ECサイトのROI測定~」 

第2回:「コンバージョンアップを狙う方法とは?〜ネット先進国アメリカの事例を参考に学ぶ〜」 

第3回:「デジタルマーケティングのための統計学入門」

Share Button

Back to Blog Top