2012.6.20

マーケティング戦略のみならず、PRにおいてもデジタルを如何に活用するかが戦略の鍵となってきています。6月15日に、国内最大の総合PR会社、株式会社プラップジャパンと共同で「最新デジタルPR事情を事例で解説する〜結果を出すためのマーケティングプランとその実践〜」をテーマに、セミナーを開催しました。
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デジタルPRを実践する
株式会社プラップジャパン プロデューサー 福島 伯幟繞(はじめ)氏

福島氏からは、同社の提供するクラウド型ニュース配信サービス「デジタルPRプラットフォーム」を活用した事例をお話し頂きました。

ニュースと他のWebサイトとでは検索のアルゴリズムが違うことに着目したこのサービスに掲載されたニュースリリースは、日本を代表するポータルやメディアサイトへ掲載されるほか、Googleにニュースとして認識され、検索の上位に表示されます。情報を届けたい相手を想定し、そこにリーチするためには、どういうキーワードを盛り込めば良いのかを見極め、実践することで、到達したいターゲットへの露出を確実に上げられるのだそうです。
なかなかリリースするようなニュースがないという悩みを持つ企業は少なくありませんが、例えば、レシピ追加などのサイト更新情報も、知りたいと思うユーザーがいればニュースになり得るなど、捉え方次第で企業情報を効果的に配信していけることもお話しいただきました。
最後に、自分たちのメッセージや情報をターゲットに向けて送り届ける努力をしているところとしていないところの差がどんどん開いてきている現状と、ただ情報を流すのではなく、ターゲットにあった情報を流す重要性について言及されました。

■結果を出すためのマーケティングプランとは?〜その鍵は戦略PRにあり〜
株式会社ルグラン 代表取締役 泉 浩人

続いて、泉からは、2002年に検索連動型広告が日本に入ってきて以来、10年で2500億円規模になったネット広告市場が潮目を迎えている、まさに今、実施していくべきWebマーケティングについてお話しさせて頂きました。

インターネットでは、検索が不可欠なことは言うまでもなく、見込み客を自社サイトに誘導するためには検索連動型広告が引き続き有効な手段である一方、検索数が頭打ちになるという状況に於いては、新たな施策を考える必要があるという話からスタート。

検索が一番得意なのは注文取りであり、お店の外からお客さんを連れてくることは不得意なため、更に売上を伸ばすことを考えた時、検索を待つのではなく、ディスプレイ広告などを活用し検索の需要を作り出すことが重要になります。また、検索連動型広告と比較し、ディスプレイ広告からのコンバージョン率は高くないため、ディスプレイ広告の効果測定としては、直接コンバージョンだけでなく、自然検索などに貢献していることを評価する必要があることなど、アトリビューションについても説明させて頂きました。

更に、検索需要を高めるためには、リリースを出すというような今までの「仕掛けるPR」はもちろんのこと、世の中で話題になっていることに引っ掛けて話題になる「乗っかるPR」をうまく展開出来れば、あまり力もかからずに大きな成果をあげられる場合があるということを、ルグランの「AKB総選挙予測 」を事例としてご紹介しました。

■パネルディスカッション「スルーされないためのプレスリリースとは?」
福島 伯幟繞氏 × 泉 浩人

福島伯幟繞氏(以下、福島):泉さんのAKB総選挙予測について説明された講演をお聞きしたのですが、今日はさらっとお話しされましたけど、その裏には、すごい計算とデータの掛け合わせ、組合せがあって、それで当たったんでしょうね。

泉浩人(以下、泉):正直に言うと、ソーシャルリスニングの結果、AKBが数週間のうちに話題になるのはわかっていましたが、私たちの予測が話題になるかは全くわからないながらやっていたのですが、御社のデジタルPRプラットフォームを利用し選挙予測に関するリリースを配信したところ、CNET等のメジャー媒体を中心に掲載され、その結果、テレビ・新聞をはじめ多方面から予想以上の反応があり、驚きました。

福島:本当に緻密な計算ですよね。

:他の予測と違い、順位だけでなく得票数まで発表したところが私達の予測のユニークな点だと思いますし、また、より多くの方にご興味お持ちいただけた理由ではないかと思っています。トップの得票数は、過去3年でどんどん増えているのに、データを基に予測をしたら、去年より減るという結果が出てしまい、この結果を出すのは怖かったのですが、実際にその通りになってしまいました。
私は福島さんの講演の中で、リリースを出す際に、「こういう人に見つけてほしい」と考えて、その人たちがどういうキーワードで検索するかと当たりをつけていくというお話が非常に興味深かったですね。業界が違うものの、裏ではお互いに似たようなことをやっているのだなと思いました。(笑)

福島:今までのSEOというのは、テクニカルな部分が多くて、専門の業者さんじゃないと対応が難しかったところがあったと思いますが、ニュース情報の配信では、かなりコントロールすることが出来ます。あるキーワードに関連して、どういうキーワードに興味を持つのかというマーケティング的なアプローチをします。検索需要を作り出すお話が先ほどありましたが、ちょっと似ていますね。

:複雑化しているように見える一方で、原点回帰とも言われていて、掲載されるコンテンツがしっかりしていることが重要だと思います。Googleは、SEO対策を上手にやり過ぎているサイトは、減点するとも言い始めています。内容がないのに、SEOばかりやっているサイトはダメということですね。また、同じ条件だったら、新鮮なものを上に出すというアルゴリズムもあります。これは、Googleが検索結果の品質を上げていくなかで、より重視されるだろうと言われています。その流れの中で言うと、ニュースリリースはまさに速報性があり、且つ、きちんとしたコンテンツもありということであれば、検索エンジン側が上に出したいという条件が揃うことになりますので、デジタルPRプラットフォームに掲載していくのは効果的と言えると思います。

福島:先ほど、Facebookの話が出てきましたが、企業のFacebookページ開設が以前より落ち着いてきたように感じています。それと、Facebookは実名であることで、いい人を演じてしまうところがあってFacebook疲れに繋がっているんじゃないかと感じていますが、どう思いますか?

:まず、企業ページから言うと、確かに、最初の頃のような「とにかくFacebookページを作らないと」というのは落ち着いてきたように感じますね。ただ、それがFacebookの魅力が減退した結果なのかどうかはわかりません。
どちらかというと、Facebookページを運用することの意味がわかっている企業が増えてきたということかもしれません。ソーシャルメディアで大事なのは話題の中心になることですが、有名なブランドでも、話が面白くないと人が集まらないので、有益な情報を出し続ける体制が出来ないなら意味がないのではという地に足の着いた考え方をする企業が増えてきたのではないでしょうか。
個人に関して言うと、アメリカ人は、Facebookをセルフプロモーションの場として考えていて、人に見られることを意識した上で、自分をどう見られたいかということを逆算して使っていますね。それは、日本人には少し居心地が悪く感じられるかもしれません。

福島:テーマから逸れてしまいましたが、是非、聞いてみたいお話でしたので、お聞き出来て良かったです。残念ながら、お時間となってしまいました。今日は、ありがとうございました。

:こちらこそ、ありがとうございました。

PRとデジタルマーケティングという異なる領域の専門家が、別々のアプローチから「デジタルPR」について語った今回のセミナーでしたが、共通する部分も少なくなかったことが印象的でした。

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ルグランでは、今後も、このようなセミナーを随時開催し、最新のデジタルマーケティング情報をご紹介して参ります。

セミナー開催情報は、弊社ブログやニュースレター 、あるいはフェイスブックページ などでご案内をさせて頂きます。
皆さまのご参加をお待ちしております。

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