2012.2.08

前回のブログにてお知らせをしたとおり、SESロンドン基調パネルのトピックが急きょ変更となりましたので、今回は改めて新しい基調パネルの内容についてのご紹介をしたいと思います。なお、当初予定していたサーチとパフォーマンスディスプレイに関するパネル「Search now, the future and the rise of performance display」は現時点では開催は未定となっております。

さて、本題の新しい基調パネルのトピックですが、2012年に入ってから、にわかに欧米のサーチ業界にてちょっとした騒動として注目されている、Googleの新しい検索サービス「Search plus Your World」について、「Google+ Search Your World | Search And Social Flux | It’s An Evolution」と題したサーチ業界の有識者による大ディベート大会を予定しています。

「Search plus Your World」はまだ日本にはリリースされていない新しいGoogleのサーチ機能と言う事で、あまり日本のユーザーにはなじみの無いサービスですが、このサービスの特徴と、これまでの経緯について簡単に説明をしたいと思います。

実は問題の発端は2011年の7月にさかのぼると言われています。それまでGoogleの検索結果の「リアルタイム検索」にて表示されていたTwitterのつぶやきが、GoogleとTwitterの間の提携が契約切れとなった為に、提供されなくなっていました。Twitterの検索結果が表示されない状況となったGoogleは、自社が2011年の3月のサービス開始以来、積極的にユーザー獲得を進めているソーシャルメディアサービス「Google+」との連携サービスである、Search plus Your Worldを今年の1月から提供し、検索結果のパーソナライズ化に向けた取り組みを開始しました。

Search plus Your Worldは、検索ユーザーのGoogle+内での結びつきからのコンテンツも検索結果に反映させる検索サービスですが、今のところ、対象とするソーシャルサービスはGoogle+単独となっています。しかしながら、今日のソーシャルメディアの世界ではやはり、“TwitterとFacebook”がメインコンテンツとなり、Google+はまだマイナーなサービスでしかない為、この事が問題となり一部のユーザーからは検索結果の有効性を問う声が挙げられていました。

さらに、元々Googleのリアルタイム検索の継続中止の原因となっているTwitterからも、以前Googleに在籍し、現在Twitter社の法務顧問を務めるAlex MacGillivray氏の公の場のツイートで、「検索結果をゆがませている」等の非難を浴びる事となり、それに応戦したGoogle側のGoogle+での反論が注目の的となっています。

Google側の言い分としては、そもそもリアルタイム検索での契約を解消させたのはTwitter側であり、Google側はTwitterと何時でも話し合いの場に戻る用意はあると伝えていると言われています。また、Googleにとっては、Search plus Your Worldでの個人情報の検索が、米国電子プライバシー情報センター(EPIC)からプライバシーの問題があると指摘されている点も、無視する事が出来ない問題となっています。

Search plus Your Worldのサービス開始から約一カ月程たった現時点では、まだこの論争に決着はついておらず、サーチ業界でも意見が二分したままとなっています。果たしてのこのGoogleの新機能はサーチの正当な進化の形なのか、はたまた同社の市場独占に向けた新たな一歩になるのか、このトピックについてSESロンドンの会場での激しいディベートを期待したいと思います。

(by Kenta Umezu, Chief Operating Officer, Le Grand)

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