2012.7.26

既にご存知の方も多いと思いますが、今年6月初旬、GoogleはAdWordsに、スマートフォン向けアドネットワークAdMobを一部統合したと発表しました。2010年にGoogleがAdMobを買収して以降、いよいよGoogleのモバイル広告戦略が本格化したといわれてきましたが、今回のAdWordsとの統合はその戦略の一つだといえます。

今回はそれあたって、デジタルマーケティングにおけるスマートフォンの重要性を改めて述べた上で、AdWordsを活用したスマートフォンの広告についてもお話しますが、まずは昨年Googleが提唱し、弊社セミナーでも何度かトピックの一つとして登場したZMOT(Zero Moment Of Truth)から話を進めたいと思います。

ZMOTの考え方は「消費者は実際に店頭に行って商品を手に取る(FMOT:First Moment Of Truth)までに既に商品購入の意思決定を行っている」というものです。

【ZMOT:消費者は店頭へ行く前に購入の意思決定を行う】

すなわち、テレビCMや電車内の広告などを通じて何らかのSTIMULUS(刺激)を受けた消費者は、店頭へ行く前(ZMOT)にSEARCH(検索)を行い、商品の詳細や口コミ情報を収集した段階で購入の意思決定をするようになってきている、ということですが、スマートフォンの普及が高まるにつれて“検索を行うまでの時間が大幅に短縮される”ということが一つの重要なポイントといえるのではないでしょうか。

実際、「TV(番組やCM)を見ながら、気になったことをスマートフォンで検索する」ユーザーは63.6%にも上るという調査結果 (博報堂DYグループ・スマートデバイスビジネスセンター「全国スマートフォンユーザー1000人調査」)にある通り、刺激を受けた消費者は“その場で検索する”という行動が支配的になってきています。

また、日本でのスマートフォン普及率が昨年の6%から、約3倍の20%に増加した、というスマートフォンの急激な普及(Google「世界のスマートフォン利用に関する大規模調査」)を考慮すると、今後ますますデジタルマーケティングにおけるスマートフォンの位置づけが重要になってくるといえます。

さて、そこで重要性を増してくるスマートフォンを活用する方法として、以下ではAdWordsで出来るスマートフォンへの広告配信方法についていくつかご紹介したいと思います。

■1.スマートフォン配信用キャンペーンを作成し、スマートフォンに最適化したサイト、広告文を配信する

既に実践しておられる方も多いと思いますが、キャンペーン設定レベルにおいて、配信先デバイスを[フル インターネット ブラウザ搭載の携帯端末]に設定することでスマートフォンにのみ広告を配信することが可能となります。広告の誘導先にはスマートフォン用のリンク先URLを設定する、スマートフォン配信ならでは広告文を作成するなど、“その場で検索”してくるユーザーの関心を高めることを意識してみましょう。

現在特にデバイス別に配信を行っていないという方は、一度デバイス別掲載結果を確認することをお勧めいたします。([キャンペーン]⇒[分割]⇒[デバイス]より確認ができます。)

スマートフォンからのクリックが多い場合には、上記の通りデバイスに合わせたキャンペーンの最適化が必要というサインです。(なお、これらはヤフー スポンサードサーチでも設定・確認ができます。)

【スマートフォンに合わせたキャンペーンの最適化を】

■2.スマートフォンアプリ内広告を配信する

冒頭でありました通り、AdMobと一部統合したことにより、AdWordsを用いてスマートフォンアプリ内への広告配信が簡単に行えるようになりました。Googleによると30万以上のスマホアプリを通じて3億5,000万のモバイルデバイスへリーチが可能ということですから、スマートフォンを通じてより多くのユーザーへ刺激を与え、検索の創造にも効果を発揮することが期待できます。

設定については、まず管理画面より[新しいキャンペーンを作成]⇒[キャンペーンタイプ]よりディスプレイネットワークのみ(モバイル アプリ)を選択することでアプリ配信用キャンペーンが作成可能となります。

【スマートフォンアプリ配信用キャンペーン作成】

また、キャンペーン作成後、実際に[モバイル アプリのプレースメント]より配信したいアプリのカテゴリを選択することができます。ターゲットとするユーザーへ多くリーチできるよう活用しましょう。

【アプリのカテゴリを選定し、ターゲットユーザーに効果的なリーチを図る】

急激に普及しているスマートフォンは既にデジタルマーケティングにおいて欠かせないデバイスとなりつつあり、今後ますます主要な役割を担うことになると思われますが、それに伴って、ユーザーの行動、ならびにそれに基づいた効果的なユーザーへのアプローチ方法についても同様に重要になってくるでしょう。

(by Tatsuhiko Kuwahara, Consultant, Le Grand)

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