広い国土をカバーする為の効率の良い情報配信手段として、米国ではネットを使ったセミナーが盛んに行われています。そんな中先日、 Search Engine Watchが提供するウエブキャストを使った無料PPCセミナーに参加する事ができました。スピーカーは SEW Expert and CEO of Clix MarketingのDavid Szetela氏で、SEWではおなじみのコラムライターです。
セミナーの題名の“Profitable PPC: The Fundamental Secrets”は日本語に訳すと、『だれも教えてくれなかった、損をしないPPC基礎』という感じでしょうか?基礎的な情報といえども、PPCの本場アメリカでの情報がどれだけ日本でも使えるのか、興味があったので参加してみました。なお、セミナーの開催時間はアメリカ東海岸時間の昼間でしたが、終了後にはオンディマンドでプレゼンテーションが提供されているので、時間を選ばずに見る事が出来ました。
それでは、内容を見てみましょう。
【キャンペーンセットアップ時の注意点】
まずは、Google AdwordsとOvertureの管理画面の設定について、特にコンテンツマッチと広告配信の最適化に関連した注意点が挙げられていました。David の意見では、サイトへの誘導方法の特性の異なるスポンサードサーチとコンテンツマッチは同じキャンペーンで運用するべきでなく、独立したキャンペーンで管理します。また、それぞれのサービスが提供する広告配信の最適化のための機能はあえてオフにして、均等な配信での広告テストを行うべきだと伝えていました。
特にGoogle Adwordsのコンテンツネットワークはデフォルトでオンに設定されているので、一度キャンペーンを作成してから、『ネットワークと単価設定』で変更する必要があります。また、広告の最適化は『スケジュール設定と配信』で『広告をより均等に表示』を選択して、均等配信にする必要があります。なお、オーバーチュアではキャンペーンの作成時にコンテンツマッチをオフにする事が可能ですが、システムの提供する『広告表示の最適化』は広告グループレベルで『均等配信』を選択する事が可能です。
【キーワードリストの作り方】
キーワードリストの作成方法では、提供するサービスや、販売する商品の対象となる「顧客プロファイル」のカテゴリー別にリストを作成する方法を推奨しています。
例えば、楽器販売のサイトがギターを売る為の広告のキーワードを作成する場合、それぞれの対象となる顧客のニーズに合わせた訴求ポイントをキーワードに盛り込みます。これにより、若者だったら→「低価格」、プロのアーティストだったら→「高性能」や「高品質」、コレクターだったら→「ビンテージ」として「年代別」などのキーワードが組合せの対象となります。
【広告グループのまとめ方】
広告グループを作成して、キーワードと広告をグループにまとめる際には、広告テキストの中にキーワードが含まれる方法が推奨されていました。これにより、配信先のサイトによっては、広告の中でキーワードが太字で表示される可能性が高くなり、クリック率の上昇や、品質スコアにも良い影響がでて、低い入札価格で上位が狙える可能性が出てきます。
【広告の作成のTips】
広告の作成には自社サイトのサービスや販売中の商品中心の説明ではなく、“顧客に直接問いかける”ようなメッセージ性を持たせる事が大事との事でした。
Davidの意見では、広告を見た検索ユーザーに対してアクションを促し、広告の表示方法にもバリエーションを与え、細かいテストを繰り返す事により効果を測定していきます。例えば、ビックリマーク等の記号の配置やアルファベット大文字の使用、微妙な文字の入れ替えなどもテストの対象となり、説明文の文末にはサイト訪問者となった顧客がサイト上で行うべきアクションの内容を伝える事がコンバージョンに効果的な手法との事です。
参考までに英語でのサンプルはこんな感じでした。【】内はそれぞれの効果となるポイント。
■検索KW: poker information
■タイトル: Poker Information
【検索キーワードが広告に含まれている】
■説明文1:Get the Must read Secrets – Winning
【命令調の動詞を使う、大文字を使ってメリハリを付ける】
■説明文2:At Poker. Sign Up for Daily Emails!
【サイト訪問後、客がとるべきアクションを伝える。びっくりマークを入れてみる】
■表示URL:www.PokerBlasts.com/Poker+Winning
【表示URLの中にもキーワードを含める(Poker+Winning)実在しないURLでも可能】
ここで興味深いポイントとして、挙げて置きたいのが、最後の表示URLの使い方です。Davidによるとサンプルの「/Poker+Winning」のように、URLに意図的に意味を持たせる事により、検索ユーザーを誘導する効果があり、(ドメインさえただしく表記されていれば)場合によっては存在しない URLを指定する事も、掲載のレギュレーションには違反していないとの事です。これが事実なのか、日本でのサービスに適用されるかは未確認ですが、表示 URLも広告の一部と言うコンセプトは自体は間違っていないので、表示URLの重要性を見なしてみる必要があるかもしれません。
Tipsの中には英語の文法の特性を生かした内容もありますが、結論としては、基本的なPPCに対する考え方は同じで、日本の市場や言語でも当てはまる内容でもあったように感じます。特に広告の作成の手法については、かなり細かい部分まで入念にA/Bテストを繰り返えしている点が、一見大雑把なアメリカ人がやっているとは思えない程、詳細に行われている様でした。
また、ウエブキャストの最後に用意されたQ&Aの多さにも驚かされました。面白い質問が幾つか出てていたので、興味のある方はセッションに参加してみられてはいかがでしょうか?
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