2009.5.14

あなたのコンテンツマッチに対する認識、間違ってませんか?

検索連動型広告を管理されている方ならば既にご存じかと思いますが、オーバーチュア、グーグルアドワーズが共に提供する広告の配信方法として、コンテンツマッチ(アドワーズではコンテンツネットワーク)という選択肢があります。コンテンツマッチは検索連動型広告と違い、インターネット上のウエブページのコンテンツと関連性の高い広告が掲載される方式なので、検索連動型広告の“プル型”に対して、“プッシュ型”広告と言っても良いかと思います。

プッシュ型広告というと、メール広告やオプトインメールなど、ユーザーに対して広告主(事業者)側から発信するインターネット広告を思い浮かべるかと思いますが、コンテンツマッチの場合はメール広告等と比べて、ターゲットの絞り込みや、最適化の実施が検索連動型広告と同様に媒体管理画面から可能となり、一般的にあまりCPA効果の高く無いとされているメール広告などと比べると、将来性の高い広告媒体として注目を浴びています。

その証拠に最近では、Yahoo! JAPANが自社で独自に開発したインタレストマッチ広告を提供して、日本国内でのコンテンツマッチ市場での巻き返しを図ろうとしているほか、2007年にグーグルがYouTubeの2倍の金額を払ってまで買収したと言われているダブルクリックについても、その狙いの一つには「Googleの検索サービスとコンテンツベースのテキスト広告ビジネスを補完するもの。。。」とされていて、今や全世界中の80%のインターネットユーザーへのリーチと60億のインプレッションを1日で生み出している一大ネットワークに成長しています。

さて、本題にもどりますが、今回グーグルが発表したホワイトペーパーによると、アドワーズのコンテンツネットワークに配信される広告の一コンバージョンあたりのコスト・Cost-Per-Acquistion(CPA)トレンドを分析した結果、対象となった広告は検索連動型広告と同じレベルのCPAを実現する事が可能であったと報告しています。さらに、アドワーズにて検索連動型広告とコンテンツネットワークの両方に広告を配信している場合は、検索結果ページに表示される広告よりも平均で約2パーセントのCPA削減が可能となり、全体の20パーセントのコンバージョンに貢献していると言う結果もでているようです。(下の図は2007年12月から2008年11月にかけて計測された全体のコンバージョンに対しのコンテンツマッチコンバージョンの割合)

adwords_contentsmatch_conversions

これらの結果を見ると、今までのコンテンツマッチやコンテンツネットワークでの広告配信への考え方が180度変わったと言う広告の主の方もいらっしゃると思われますが、広告配信の特性や最適化機能を理解する事で、今までの考え方とは違う、コンテンツマッチの正しい管理方法が見えてくると思います。また、ここで、弊社が考えるコンテンツマッチキャンペーンのセットアップに関するTIPSの一部をお伝えしたいと思いますので、ぜひ参考にしていただけると良いかと思います。

まず、一般的にオーバーチュアやアドワーズでキャンペーンを作成する場合、管理画面の流れに沿って検索連動型広告キャンペーンを作成した場合、無意識のうちにひとつのキャンペーンの中に同様の設定でコンテンツマッチ広告を同時に作成している場合があります。これは特にオーバーチュアの管理画面で起こりやすい現象ですが、この部分が一番おかしやすくまた、回避しやすい問題点いだと思います。具体的には、コンテンツマッチキャンペーンは検索連動型広告とは別の広告配信である事を理解すべきで、クリック単価や予算設定や運用管理方法についても個別キャンペーンで行うべきです。また、コンテンツマッチ広告については、広告文に登録キーワードが含まれているか否かということも順位決定には関係ないので、検索とは別キャンペーンにした場合でも順位やクリック単価には影響がありません。

次に、この記事の冒頭で述べたようにコンテンツマッチはプッシュ型広告である事を思い出し、「ブログの隅っこに掲載されてもブログの閲覧者にクリックされる」ような広告文を作成するように心がけるべきです。あまり広告である事を意識させすぎる文章は逆効果ですが、そもそも購買意欲が無い状態のインターネットユーザーの目を引くような広告文をいかに自然に、コンテンツの記事の中に溶け込ませるかを考えると良いかと思います。昨年参加したSearch Engine Strategies San Jose (SES)のコンテンツマッチに関するセッションで、あるスピーカーはこの違いを

「YELL, don’t SCREAM」

と表現していましたが、“大きな声で叫ぶのは良いが、悲鳴をあげるてはイケナイ”というように、アイキャッチとなる広告文はOKだが不快感を与える文章の掲載は避けた方が良いでしょう。

一方、最適化の面では特にアドワーズの管理画面の提供する機能を積極的に使う事で広告キャンペーンの的確なチューニングが可能となります、たとえば以下のような点に注意をしてみてください。

・配信先を限定しすぎ無いよう、必要以上にキーワードの登録をしない
・レポートや掲載結果を解析しながら、費用対効果の低いサイトは配信対象先から除外する
・検索に比べてコンバージョン率が低い場合、同等のCPAを実現するためには、入札価格についても、検索とは別の設定が必要

以上を踏まえた上で、コンテンツマッチは検索連動型広告のおまけや副産物では無く、きちんと目的をもって作成、管理、テストを行いながら運用する事で絶大な効果を広告主にもたらす事も可能だと言う事がわかっていただけたでしょうか?

しかしながら、広告主の皆様が検索連動型広告に加えて、コンテンツマッチの最適化を行うはの現状難しい場合があるのも事実です。ルグランでは、これらの最適化手法を日々、研究しながらノウハウを蓄積し、お客様の商材や、SEMでの目的をお伺いした上で、コンテンツマッチのキャンペーンをお勧めして、運用もお手伝いしています。
ご興味のある方はどうぞ一度弊社までご連絡ください。

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2009.4.23

検索連動型広告を使った集客で、しばしば浮上する頭の痛い問題。それは検索が無いという状況です。

念のためにおさらいをしておくと、検索連動型広告とは、例えば、予め「エコカー」というキーワードに対して広告を設定しておき、ヤフーやグーグルなどの検索サイトで、このキーワードが検索された場合には、検索結果の一部として、「エコカー」を製造・販売している企業の広告が表示されるようにしておく、というものです。既に「エコカー」に興味・関心を持っているユーザーだけを選んでサイトに誘導できるので、購入や申込みにつながる確率(=コンバージョン率)も高くなります。

と、一見、良いことずくめの検索連動型広告ですが、もし、「エコカー」というキーワードで検索する人が非常に少ないとしたら、どうでしょう?どんなに腕の良い漁師でも、網を張ったところに魚がいないのでは、どうにもしようがありません。特に、企業や商品・サービスのブランドが世の中に浸透していない場合、そうした企業名や商品名に対する検索は、どうしても少なくなります。一方で、企業名や商品名などの「ブランドワード」で検索してくるユーザーというのは、既に、何らかの方法で、その企業や商品の存在を知り、競合他社には目もくれずに、自社の商品やサービスを探しにきてくれている訳ですから、コンバージョン率は高くなります。一方で、こうした「ブランドワード」は、他社にとっては、あまり利用価値はないため、価格競争に巻き込まれて、クリック単価が上昇することも余りありません。

実際、弊社のクライアント様でも、「ブランドワード」のコンバージョン率が10%を超えているケースは少なくありませんが、この時、平均クリック単価が10円だとすれば、獲得コストは100円以下で済む計算となります。こうしたキーワードの存在は、キャンペーン全体のクリック単価、ひいては獲得コストを引き下げる効果がありますので、「ブランドワード」の検索が多ければ、競争の激しいビッグキーワードに対しても、強気のクリック単価を設定することができるという相乗効果も期待できます。

昨年8月に米国で行われたSES(Search Engine Strategies)でも、SEMを成功させるための「上流工程」として、ブランディング広告の価値を再評価しようという議論が活発に行われていました。(こちらのエントリーもあわせてお読み下さい。)

そして、最近、新たなマーケティングツールとして、にわかに注目を集めているのがTwitterです。おそらく、本ブログの読者のみなさんも、Twitterについては、非常に良く知っていて使っている、あるいは、全く聞いたこともない、の2つに大きく分かれるような気がしますので、ここでは詳しい説明は避けますが、簡単いうと「ブログ」と「チャット」の間のようなサービスで、ウィキペディアでは、『個々のユーザーが「つぶやき」を投稿し合うことでつながるコミュニケーション・サービス』という説明がされています。

元々は「良い天気だなー」とか「あー、そろそろ仕事しないと」といった「つぶやき」を投稿し、それを読んでいる(Twitterでは「フォローする」といいます)知人や友人たちと緩くつながるツール、という感じで使われていました。が、Twitter Searchの登場で、自分が興味・関心のあるテーマについて「つぶやいている人」を探せるようになったことで、不特定多数の人に向けたメッセージを発信できるようになったこともあり、最近は、企業のマーケティングツールとして活用されるケースが急速に増えているようです。

mitsubishi

例えば、三菱電機は、米国で先行販売している新型のレーザーテレビ「LaserVue」が、これまでの液晶テレビやプラズマテレビに比べて、消費電力が大幅に低いという環境性能をアピールするために、Twitterを使って「カーボンニュートラルキャンペーン」を展開しています。

一方、マイクロソフトやフォードといった大企業では、複数の部署・担当者が、それぞれにTwitterのアカウントを開いて、メッセージを発信するようになるため、企業としては、今後、Twitterを通じた情報の発信や、それに対する返信・コメントの内容を一元的に管理することも必要になります。米国では、既にそうしたニーズを見越したサービスを提供するベンチャー企業も登場しています。

これは、CoTweetという会社が提供するサービスで、企業が運用する複数のTwitterアカウントを集中的に管理・モニタリングするだけでなく、将来的にはTwitterが、電話やメール、Skypeなどと同じように、カスタマーサポートのためのコミュニケーションツールとしても使われることも想定し、顧客からの質問に対する回答状況をチェックしたり、個々のサポート担当者にタスクを振り分けるなど、現在のCRMツールが持っているような機能も提供しているようです。

果たして、Twitterは、セカンドライフのような「一過性」のブームではなく、企業のマーケティング・コミュニケーションツールとしての確固たる地位を築いていくことができるのでしょうか?また、日本においては、Twitterの利用者がどこまで増えるのか、という点も含めて、今後の成り行きが注目されます。


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