2007.8.30

SESの2日目に行われた「Converting Visitors into Buyers(見込客を顧客に変えるために)」というセッションの中で、興味深い調査結果が発表されましたので、ご紹介したいと思います。

これは、ScanAlert社が行っている「Digital Window Shopping(デジタルウィンドウショッピング)」という調査で、リスティング広告をクリックしてクッキーが付与されてから、当該ユーザーがコンバージョンに至るまでのリードタイムを計測しています。今回のSESでは、2005年と2007年の比較データが発表されましたが、結論から言いますと、コンバージョンまでのリードタイムは明らかに長期化しており、具体的には、2年間で平均19時間から34時間と約1.8倍になっています。

Chart

調査結果を更に細かく見ていくと、1時間以内にコンバージョンまで到達した割合は、2005年には全体の50%あったものが、2007年には43%まで減少しています。1時間以上を要した57%のケースを更に所要時間で見ていくと、特に3日以上を要するケースが顕著に増加しており、2007年の調査結果では実に全コンバージョンの1/4以上(26%)がコンバージョンまでには3日以上を要し、1週間以上を要したケースも全体の18%に達していることがわかります。

調査を行ったScanAlert社では、こうした傾向の背景には、

1. このサイトで買い物をしても大丈夫なのか?

2. このサイトの商品に決めてしまっても良いのか?

という2つの大きな「迷い」があると分析しており、こうした消費者の「迷い」を少なくするための工夫がコンバージョン率の向上には不可欠であるとしています。具体的には、

1. 電子署名やプライバシーマークの取得などによるセキュリティ上の安心感を与えること

2. 会社の所在地や問合せ窓口などを明記し、サイトに対する信頼性を高めること

3. 電話やメール、チャット等により簡単に問合せができるようにすると共に、FAQなども充実させて、消費者の疑問や不安の解消に努めること

といった対策を取ることが、今後ますます重要になるとしています。一方で、コンバージョンまでのリードタイムが長期化することを前提に、クッキーの保持期限を長めに設定しておくなど、効果測定にあたっても、クリック→コンバージョンまでの「タイムラグ」を念頭においたデータの分析・検証が不可欠です。


Technoraty Tags:



Share Button

Read more

2007.8.27

前回は、検索連動型広告の最適化のためには、客観的なデータの分析に基づく、意思決定や戦略の立案が重要であるということを伝えるために、SESのセッションに登場した講演者が引用した「格言」をご紹介しました。

SES_9

今回は、その続編として、データの分析と同じように各セッションで強調された「テスト」の重要性に関する「格言」をいくつかご紹介したいと思います。

TEST, TEST, TEST then INVEST

お金をつぎ込む前になすべきこと、それはテスト、テスト、そしてまたテスト。

Be curious. Don’t settle. Always be testing.

常に探究心を忘れるべからず。現状に満足することなかれ。最適解を求めて常にテストを続けるべし。

毎日、山のようにやることがある中で、最適化のためにテストを繰り返すという作業は決して楽ではありません。「どうすれば最適化できるのか、その答えだけを教えてくれ。」というのが、オンラインマーケティングに携わる多くの方々の偽らざる本音ではないかと思います。ただ、残念ながら、SESのセッションで繰り返し強調されていたことは「成功のためには、テストによるトライアンドエラーあるのみ。」という原理原則でした。

とはいえ、トライアンドエラーのプロセスを効果的、効率的に行うための方法はあります。正しい知識と経験を持つ専門家であれば、皆さんが達成したいゴールを理解した上で、テストを行うための方法を考え、結果を分析し、そして分析結果に基づく、最適化のためのアクションプランを提案してくれるはずです。

皆さんの周りにいる「専門家」達は、こうしたサポートをしてくれていますか?


Technoraty Tags:



Share Button

Read more