2013.12.12

今週12/10(火)、朝日インタラクティブ主催のマーケティングを軸にしたビジネスイベント「CNET Japan Live 2013~全社員マーケター時代のビジネス戦略~ 」において、弊社代表泉がお話をさせて頂きました。

おかげさまで、募集を開始して早々に満席となり、高い関心を集めた今回の講演では「ビッグデータ時代に生き残るマーケターの条件とは?」と題して、ビッグデータ時代にこれからのマーケターが果たすべき役割や、求められるスキルについてお話しました。

ビッグデータ時代と言われる今、日本では「ビッグデータが何かをしてくれる」という風潮が広がり、データに対する過剰な期待があると切り出した泉。しかしながら、数字自体は何も語らない、大切なことは数字からストーリーを立て、過少でもなく過大でもなくその数字を正しく評価できるスキルが求められると解説。また、解析可能なデータは爆発的に増えてはいるものの、実はデータの多くが不要なデータ(ノイズ)であり、知るべき真実は一つだけであるともお話しました。

さらに、データドリブンとデータ原理主義はイコールではないことに言及。そもそもデータとは顧客理解のために活用するのであり、データにできることとできないことをマーケターは理解することが重要であると語りました。

今回のテーマである、「ビッグデータ時代に生き残るマーケターの条件」を考えたとき、マーケターがやるべき基本はこれまでも、そして、これからも変わらないと泉は言います。

ただ、SNSやDSP等、様々なツールやマーケティング手法が登場した今、これまでのようにマーケターがそれらすべてのことに精通することには限界があり、全体を統括する”コンダクター(指揮者)”となる役割が求められます。そのためには、データを読むスキル(=データドリブン)と、メディアニュートラルになる姿勢が必要です。

また、米国でのCMOの任期がここ数年で、平均2年から40ヶ月に伸びているというデータを紹介し、コンダクターの役割を担うCMOの存在が組織の中で理解され始め、大きく変わってきているともお話し、これからは、会社を動かす力・知識を持っているCMOがCEOになる時代が来ている、つまりは、マーケターが経営を担う時代になるだろう、として、45分にわたるセッションを締めくくりました。

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展示会場のミニシアターでは、弊社共同CEOの山辺が登場し、これからの日本のマーケターのあるべき姿について、ビジネスジャーナリストの大元隆志氏とパネルディスカッションを行いました。

こちらは、事前の告知がなかったにもかかわらず、途中からは立ち見が出るほど注目を集めました。山辺からは、マーケターは代理店任せにせず、自らデータドリブンになるべきと語るとともに、CMOがCEOになれるチャンスがある今、マーケターとしてどう生きたいかを考えて欲しいとお話しました。

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2013.11.14

先月AdWords公式ブログより、AdWordsでデバイスをまたいで発生した推定のコンバージョン数が計測できるようになったとの発表がありました。

既に多くのAdWordsアカウントで「クロスデバイスの推定コンバージョン」という指標が確認できるようになっていると思いますので、一度見てみることをお勧めします。

クロスデバイスの推定コンバージョン
【クロスデバイスの推定コンバージョン】
([表示項目の変更] > [コンバージョン]から[クロスデバイスの推定コンバージョン]を表示項目に追加)

この指標により、広告がクリックされたデバイスと異なるデバイスやブラウザで達成されたコンバージョンを推定することが可能となります。

AdWordsが紹介しているデバイスをまたいだコンバージョン例として、下記の2例を紹介していますので引用させていただきます。
<デバイスをまたいだコンバージョンの2つの例>

  • 家族旅行を計画中のユーザーが、朝の通勤電車を待っている途中に携帯電話を使い、Google で行き先候補を検索します。このユーザーは「ホノルルのホテル」の広告をクリックし、表示されたウェブサイトが気に入りました。仕事を終えて帰宅した後、今度はタブレットからウェブサイトにアクセスし、滞在するホテルの予約を行いました。
  • 仕事場のパソコンを使用しているユーザーが、映画のチケットの購入に関する広告をクリックします。その後、どの映画を見るか決めてから、自宅のパソコンを使用して広告のリンク先ページに戻り、チケットを購入しました。

当指標は“Google にログインしたユーザーの集計データ”から推定されているとのことです。一例として下図キャンペーンをデバイス別掲載結果に分けて、クロスデバイスの推定コンバージョンを見てみます。

クロスデバイスの推定コンバージョン例
【デバイス別掲載結果でクロスデバイスの推定CVをみる】

PC、スマートフォン(フルインターネットブラウザ搭載の携帯端末)の全体の総クリックスルーコンバージョン(以下、総CV)に占める割合としてはPCが多い(全体98件中74件)ので、PCが主なCV貢献デバイスであることは明確です。

一方で、各デバイスの「総CV:クロスデバイスの推定CV」の比率をみると、
・スマートフォン:総CV20件+クロスデバイスの推定CV4件(総CVの20%)
・PC:総CV74件+クロスデバイスの推定CV5件(総CVの6.8%)
となっています。

つまり、スマートフォンでは総CV 20件とは別にさらに+20%のクロスデバイスの推定CVが発生しており、PCに比べてクロスデバイスの推定CVの割合が高いことが分かります。

換言すれば、この場合スマートフォンはPCに比べて、これまで把握できていた総CV以上にCV貢献をしている可能性が高く、成果を評価する際には、「総CV + クロスデバイスの推定CV = 推定合計CV」で算出される推定合計CVをみることが必要といえます。

あくまで推定指標ではあるものの、スマートフォンがコンバージョンの“起点”となる一方、最終的にPCで購入手続きが行われるケースが多い商材においては、これまでは数値上スマートフォンのコンバージョンは少なく、「貢献度が低い」、「効果が不透明」と言わざるを得ませんでしたが、当指標によって、スマートフォンへどれほど広告予算を投資すべきかどうか判断しやすくなります。

(by 桑原 達彦・コンサルタント)

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