2008.2.27

YSM

米国で「オーバーチュア」は、Yahoo! Search Marketing(YSM)と名前を変えてサービスが提供されていますが、日本ではまだオーバーチュアの名称が使われていますので、以下、YSM=オーバーチュアということで話を進めさせて頂きます。

さて、昨日、そのYSMのブログに、オーバーチュアの最低入札が、現行の一律10セントから、今後数週間以内に、キーワード毎に異なる最低入札価格が設定される方式に変更されるというエントリーが掲載されました。簡単に言えば、掲載順位の決定方式に続いて、最低入札価格についても、グーグルのアドワーズと極めて似た方式に近づく、ということになるようです。

これにより、各キーワードに設定しているクリック単価が、最低入札価格を下回った場合、当該キーワードの掲載はストップしてしまいますので、今後、広告主は、アドワーズだけでなく、オーバーチュアについても「気がついたら大事なキーワードの掲載がストップしていた」といったことにならないよう、これまで以上に、こまめに掲載状況をチェックしていくことが必要になるでしょう。(ちなみに、このルールが日本のオーバーチュアにも適用されるかどうか、現時点では不明ですが、米国では、掲載がストップしそうになると、その数日前にダッシュボードで警告してくれる機能も併せて実装されるようです。)

また、個々のキーワードについて、最低入札価格を決定する要素は、以下の2つとされています。

1. Quality(品質)
基本的にはクリック率が高いほど、高い掲載順位と低い最低入札価格が設定される「可能性」が高くなるようです。

2. Value(価値)
こちらはもう少し複雑なようですが、要するに、競合する広告主が沢山いるキーワードほど最低入札価格は高くなる可能性が高いということのようです。

ちなみに、この点について、YSMのブログでは、サザビーなどのオークションを例にとって、有名な画家によって描かれたものや、希少価値の高い作品は、高い入札価格が付けられるように、広告主にとって価値の高いキーワードの最低入札価格も高くなるのが当然、といった説明がなされています。

でも、これは要するに「人気の高いキーワードからはガッツリ儲けさせてもらいます」と高らかに宣言しているようなもので、広告主にしてみると、何一つ良い事はないように思えるのですが、これは広告主ではなく、Yahoo!の株価低迷にいらだつ株主に向けて発信されたメッセージと解釈するのが正しいのかもしれませんね。。。


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2008.2.20

iPhone

Googleの発表によると、米国ではiPhoneからの検索数が、他の携帯端末からの検索の50倍にも達していることが分かりました。Googleの担当者自身、最初は「何かの間違いでは?」と思ったそうですが、今後、他のメーカーもiPhoneに追随し、簡単にWebにアクセスできる携帯端末が普及すれば、数年後には、携帯端末からの検索がPCを上回る可能性も出て来たようです。

これだけ読むと、米国もいよいよモバイル大国への道を歩み始めたようにも思えますが、その道筋は日本とは少々異なっているようです。

iPod Touchをお使いの方ならご存知かもしれませんが、iPhoneにもMacの標準ブラウザであるSafariが登載されており、iPhoneユーザーがアクセスしているのはPC用の検索サイトということになります。つまり、米国においては、デバイスによる検索エンジンの壁が崩れ、モバイルユーザーもPCユーザーと同じ検索エンジンを利用するという方向に向かっていると考えられます。

最近、米国のYahoo!は、大手携帯キャリアであるT-Mobileの公式サイトに検索エンジンを提供する契約をGoogleから勝ち取りました。日本で言うなら、Googleを押しのけて、NTTドコモの携帯ポータルに採用された、くらいのインパクトがありそうな話ではありますが、多くのユーザーが携帯端末からもフルブラウザを使ってPCサイトを検索するようになれば、モバイル検索サイトの広告媒体としての価値は徐々に失われていくことになるでしょう。

一方、日本では「ハンドヘルド端末」は成功しないというジンクスもあるようで、筆者も実はかつてモトローラのM1000という端末を使っていたことがありますが、確かに、満員電車で片手でメールが打てない端末は、日本では厳しいなぁ、という感想を持ちました。

そういう意味では、近い将来、iPhoneが日本に上陸しても米国のように広く普及するのか不透明ではありますが、一方、jigブラウザなど、携帯電話で利用できるフルブラウザも増えており、パケット定額制という追い風もある中、日本でもデバイスによる検索エンジンの壁は、意外に早く崩れていくのかもしれません。


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