開幕まであと3週間を切ったSES Hong Kong。ルグランでは、今回も視察ツアーを催行しますが、これまでは、サンフランシスコやロンドンなど欧米でのカンファレンスが中心で、アジアで開催されるSESには今回が初めての参加となります。そこで、今回は、その予習も兼ねて、SES Hong Kongでルグランが注目しているセッションをご紹介したいと思います。
まずは何といってもGoogleでエバンジェリストの肩書きを持ち、アクセス解析の神様とも呼ばれるAvinash Kaushik氏の基調講演でしょう。Kaushik氏は、2月のロンドン を皮切りに、今年、世界各国で開催されるSESで基調講演を行っていますが、そのメインテーマは「エコノミック・バリュー」です。
スマートフォンの普及やソーシャルメディアの浸透により、消費者が商品やサービスの利用・購入を決定するまでの行動も多様化・複雑化する一方です。そうした中で、ウェブサイトやオンライン・オフラインでの広告宣伝あるいはコミュニケーションが、ビジネスに対してどういう効果をもたらしかたを把握するためには、「ページビュー」や「コンバージョン」といった指標の変動に一喜一憂するのではなく、デジタルに記録された消費者の行動や足跡から、自分たちのマーケティング活動が、どのような「経済的な価値」を産み出すことにつながっているのかを考えていくという「エコノミック・バリュー」という考え方が重要となります。
ルグランにおいても、この「エコノミック・バリュー」は、今後、企業がデジタルマーケティングの戦略を考えていく上で、不可欠な視点になると考えており、「エコノミック・バリュー」をテーマにしたセミナー やワークショップ なども開催しています。
今回のSES Hong Kongは、Kaushik氏から直接話が聴ける、またとないチャンスでもあることから、今回は、弊社コンサルタントも参加し、今後、クライアント様に対して、最新の知識・情報に基づく、質の高いコンサルティングサービスをご提供できるよう努めて参ります。
第二の注目は、香港での開催ということで、アジアならではのテーマを扱ったセッションです。
初日の午後に開かれる「Cross Boarder SEO(国境を越えたSEO対策)」では、今後、多くの日本企業にとっても重要な市場となるであろう中国におけるSEO対策がメインのトピックです。GoogleとBaidu(百度)の違いや、中国ならではの検閲問題に対し、企業がどう対応しているのか等々、具体的な事例も交えたセッションになるようです。
同じく、初日の最後には「Developing cross boarder social media strategy(グローバルなソーシャルメディア戦略とは)」というテーマでパネルディスカッションも行われます。ソーシャルメディアは、アジア各国でも急速に利用者が増えていますが、その一方、言語や文化・宗教・政治体制などが大きく異なる国々の集合体であるアジア市場において成功するための戦略とはどうあるべきかについて、広告主や広告・PR会社などの実務者達によるディスカッションが行われる予定です。
さらに2日目には、「Framing the mobile opportunity in ‘emerging’ Asia(勃興するアジアのモバイルマーケット戦略)」 というセッションも予定されており、アジアにおけるモバイルでのメディア消費の状況や、アプリ戦略について考えます。その他、サーチとディスプレイの統合戦略や、アクセス解析・ソーシャルメディアの効果分析など、SESではおなじみのテーマのセッションも数多く用意されています。
ルグランでは、今回も現地からTwitter ・Facebook 、あるいはブログ を通じて、SES Hong Kongの参加レポートをお届けする予定ですので、どうぞ、お楽しみに!
(by Rod Hiroto Izumi, Founder & Co-CEO, Le Grand)