今年最初の海外カンファレンスツアーとなる「SESロンドン」まで、後2週間となり、最終アジェンダも先日発表されました。また、昨年参加者の方々にご好評いただきました現地の企業訪問。今回の訪問先の一つとなる「Acquisio」についてご紹介します。
Acquisioは、検索からソーシャルやディスプレイ広告まで管理・運用できるツールを開発・提供するカナダに本社を置く企業です。2011年のad:tech tokyoのルグランルームで、同社のプラットフォーム開発責任者がサーチとソーシャルを効率良く運用するための方法・ツールの事例について講演していますので、ご記憶の方もいらっしゃるかと思います。日本とは比較にならない数のFacebookユーザーが存在する欧米に於いては、Facebook広告の効果を上げるためには、ターゲットユーザーごとに広告文を作成することが重要であり、また、作成する広告文は膨大になることから、欧米では管理・運用ツールの活用が注目されているというお話や、SEMとFacebook広告の相乗効果について、事例を基にご講演いただきました。
市場の変化と共に進化し続ける管理・運用ツール「Acquisio」
ルグランルームに登場してから約1年以上が過ぎ、欧米を中心に新たな広告手法が増え続け、また、既存の媒体も市場のニーズに合わせ定期的に機能のバージョンアップを行っているため、管理・運用ツールベンダー側にも、市場の変化に合わせた機動的な対応が求められます。更に、グローバルでサービスを展開しているツールベンダーに於いては、管理画面の表記を現地の言語にローカライズする等、その作業は膨大です。ルグランでも2006年に入札管理の自動化、費用対効果の検証、キャンペーン毎の獲得コストの管理と最適化を可能にする検索連動型広告最適化ツールとして注目を浴びた「BidBuddyビッドバディ」の販売を行って以来、欧米のさまざまなツールベンダーとお付き合いがありますが、管理・運用ツールの世界でグローバルに売上を伸ばしていくことは、いやいや、なかなか大変であると感じでいます。
小さな会社がブランド力をつけるためには?
海外カンファレンスの展示場に行くと、デジタルマーケティングのキャンペーンを管理・運用するツールの多さに驚かされます。毎年新しいツールが発表される中、Acquisioは、レギュラーメンバーとして、各地のカンファレンスに長く登場している数少ない企業の一つと言えます。勿論、2003年に数名でスタートして以来、企業として成長をし続けているからこそ、海外の数多くのカンファレンスに参加できるということもありますが、Co-Founderand VP MarketingであるMarc Poirierは「小さな会社がブランド力をつけるためには、ターゲットユーザーが集まるイベントに「常に存在する」ということが重要である」とコメントしていました。とは言え、それにかかるリソースを考えると、これまた容易なことではないかと思いますが、流石に世界のイベントに参加しているだけあり、展示スペースに合わせて、数分でブースがセットアップできてしまう、即席ブースのようなセットを何パターンか用意しているとのことでした。ルグランルームに登場した時も、確かにあっという間にブースをセットアップ。しかも、経営陣が自ら、この即席ブースツールを持ち、世界を行脚。これこそが彼らの強みかもしれません。
SES Londonのセッションに登場、RTBの可能性について語ります
今年は、AcquisioのManaging Directorである Laurent BoninfanteがSES Londonのセッションで「The RTB Opportunity for Online Marketers: Truths and Myths」をテーマに講演するとのことです。欧米を中心に2009年から急成長をしているRTB市場ですが、プラットフォームが多様化する中、より効果を上げるためにはターゲットの設定方法やテクニックを身につけることが必要になるとのこと。ツールベンダーだからこそ分かるRTBの「真実と神話(Truths and Myths)」について、しっかり聞いてきたいと思います。
Acquisio社のウェブサイト
http://www.acquisio.com/
(by Hitomi Yamabe, Founder & Co-CEO, Le Grand)