2013.9.05

まだ夏の余韻たっぷりの中、来年のことを言うと鬼に怒られそうですが、2014年2月に開催されるSESロンドン視察ツアーを3年連続で催行することになりましたので、お知らせします。

SES LONDON

ご存じの方も多いと思いますが、SESは、毎年、サンフランシスコやニューヨーク・ロンドン・香港・シンガポールなど、世界の主要都市で開催されており、サーチやディスプレイ・ソーシャルメディアなど、デジタルマーケティングの戦略や手法に関する実践的かつ最新の情報に触れることのできる国際的なカンファレンスです。

元々はSearch Engine Marketingという名前で始まったこのカンファレンスは、デジタルマーケティングの手法が多様化するのに歩調を合わせ、カンファレンスの名称もSESに改め、ディスプレイ広告やソーシャルメディアの活用にもテーマを広げてきたという歴史があります。このため、特にSEOやSEMなど「需要の刈り取り」を中心に携わってきたマーケターが、よりメディアニュートラルな施策の立案や実施に視野を広げるための考え方を学ぶには、うってつけのカンファレンスといえるでしょう。(今年のSESロンドンの様子はこちら をご覧下さい。)

ネット広告がテレビを凌ぐ勢いで成長している英国・ロンドンで、デジタルマーケティングの最新動向を効率的に学びたいという方は、ぜひ、本ツアーへの参加をご検討下さい。もちろん、英語の苦手な方には、ルグラン・海外カンファレンス視察ツアーで恒例となっている、Twitterによる日本語同時解説もありますので、ご安心下さい。(ツアー参加者専用チャネルのタイムラインは、そのまま出張報告にも使えると好評です!)

なお、ルグランでは、来週、サンフランシスコで開催されるSES にも参加をしますので、その様子についても、本ブログなどで随時ご案内をしたいと思いますので、どうぞ、お楽しみに!

【SESロンドン視察ツアー(予定)】
東京発:2014年2月10日(月)
SES視察:同2月11日(火)〜13日(木)
企業訪問:同2月14日(金)
ロンドン発:2014年2月15日(土)→東京着は日本時間の2月16日(日)
概算費用:670,000円程度の見通し *
* 往復航空券、ホテル5泊、SES入場料、空港-ホテルの送迎、毎朝食及びウェルカムディナーを含みます

【参加の仮申込やお問い合せはこちらから】
メール:ses@LeGrand.jp
電話:0120-066-898

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2013.6.20

アドワーズ管理画面にある[表示項目]を見ると、いつのまにか様々な指標が現れていることに驚く方もいらっしゃるかもしれません。管理画面の[キャンペーン]または[広告グループ]、[キーワード]タブから[表示項目] > [表示項目の変更]より定期的に確認することをお勧めします。

クリックスルーコンバージョンやクリック数、インプレッション数などが代表的かつ重要な指標であることは変わりませんが、インプレッションシェアや相対クリック率など副次的な指標についても活用方法次第でその重要度合いが変わってきます。 弊社ブログでも新たな指標が加わる度、それらの活用方法についてご紹介してきましたが、指標数もここまで(下図)増えてくるとキャッチアップするだけでも大変です…。

AdWords管理画面の表示項目を定期的に確認しましょう
【AdWords管理画面の表示項目を定期的に確認しましょう】

そうはいっても一つ一つ指標の意味や活用方法を理解することは、アカウント運用者に求められる姿勢でもありますので、今回はその中でもキーワードの入札価格調整(いわゆるキーワードチューニング)に活用できる指標、「サーチファンネル指標」についてご紹介したいと思います。

サーチファンネル指標には、コンバージョンに至るまでのアシストクリックやアシストインプレッションなど、コンバージョンに至るまでの間接効果を表した指標が含まれます。 アシスト効果など間接指標については特に新しい指標ではないですし、Googleアナリティクスのマルチチャネルなどをご覧になられている方にとっては広告以外の経路もモニタリングし間接効果の重要性を実際に認識されているかと思います。

一方で、ラストクリックのみで全てを評価し広告運用することに懸念を持ちながらも、実際に管理画面にてキーワードチューニングを行う際は、どうしても“直接コンバージョンを獲得したか否か”で判断してしまうことが多いのではないでしょうか?

具体的に見ていきましょう。 下図のように、サーチファンネル指標を追加した各キーワードの掲載結果をみると、いくつか興味深いデータが見えてきます。

サーチファンネル指標を追加したキーワード掲載結果
【サーチファンネル指標を追加したキーワード掲載結果】

上記5つのキーワードを例にしてみます。キーワードAはいわゆる具体的商品名を意味するブランドキーワードで、当然ながらコンバージョン率は最も高く、クリック単価が低いため獲得コスト(費用/クリックスルーコンバージョン)は安価となっています。 キーワードチューニングの際には、獲得コストの高低で判断することが多いですが、キーワードD、Eでは獲得コストはほぼ同じ値となっています。

では、少し指標を広げてアシストクリック、アシストクリックによるコンバージョン数(=アシストクリックによって生まれた総コンバージョン数)ではどうでしょうか。 キーワードDではアシストクリックが少なく、アシストによるコンバージョン数が多いのに対し、キーワードEではアシストクリックが多く、アシストクリックによるコンバージョン数少ないという反対の傾向がみえています。

サッカーやアイスホッケーなどの競技で例えるならばラストクリックはポイントゲッター、アシストキーワードはアシスターに置き換えられますが、このケースでは「キーワードDはポイントゲッター」、「キーワードEはアシスター」という役割にあたるかと思います。

つまり、キーワードD自体はEよりもコンバージョン数も多いという事実はありますが、これは“Eのようなキーワードからのアシストを受けて達成できている結果”でもあるといえます。参考指標として「アシストクリック数/ラストクリック数」が1よりも高い場合、そのキーワードはアシスター傾向が強いともいえます。

キーワードチューニングで一歩進んだ視点として「そのキーワードを停止することが他のキーワードの成績に悪い影響を与えないか?」、「キーワードの露出を広げれば、他のキーワードにも好影響を与えるか?」という点が挙げられますが、上記のような指標を用いることで定量的に考察することができます。

(※アシストクリックはラストクリックを除く、コンバージョンに至ったクリック数で、これらサーチファネルの指標はAdWords広告のクリックのみが対象となります。複雑ではありますが、厳密には他の検索パートナーや自然検索含めマルチチャネルで見た方が正確なアシスト効果を評価できます。)

もちろん、“ラストクリックの価値の方が高い”とみなし、管理画面上でコンバージョンが出ているキーワードを重視することもありますし、正しく運用すれば“短期的には”その考え方で費用対効果の悪化を招くケースは少ないと思います。

ただ、こういった運用方法で懸念すべきことは、ラストクリックの価値に傾倒するあまり、実はコンバージョンの起点となったアシストキーワード、“隠れた貢献者”の活動を制限してしまうことです。

アシストを必要とせず、たった一人でゴールまで導くことができるスーパースター選手を増やしていくことも望みたいところですが、SEMにおけるスーパースターに該当するようなキーワードはせいぜいブランド名、自社商品名に限られます。

アシスト効果を軽視し、優秀なアシスターを削っていけば、いつかは数限りあるポイントゲッターにのみ頼ることになり、チーム全体の得点力の低下を招くことになります。

そしてラストクリックのみに重視した運用でキーワードを次々に削っていくと、短期的には費用対効果は改善されるかもしれませんが、縮小均衡に陥り、いつかは得点力不足になってポイントゲッターさえも消えてしまうことにもなりかねないので注意が必要です。

アトリビューションという言葉が浸透して久しいですが、こういった言葉を用いて「間接効果もエライ」と安易に片づけてしまうのではなく、サーチファンネル指標を例にすると、「アシストクリック数/ラストクリック数の指標より、0.5ポイント以上は優れたアシスターか?」「自社のサイトでは平均アシスト数に対して、このキーワードのアシスト数は評価に値するものなのか?」といったような、さらに一歩奥へ踏み込んだデータ分析やそれに基づいて運用することも面白いと思います。

(by 桑原 達彦, Consultant, Le Grand)

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