2010.9.13

みなさんご存じの通り、日本においては、ヤフーが検索連動型広告においてもグーグル・アドワーズのテクノロジーを採用すると発表されました。

このため、従来はヤフーのスポンサードサーチを中心に利用してきた日本のユーザーの方々の中にも、改めてアドワーズのシステムに興味を持つ方が増えているようで、弊社にも、様々な質問やお問い合わせが寄せられています。

ややもすると「分かりづらい」と食わず嫌いをされてしまうこともあるアドワーズのシステムですが、実は、アドワーズの品質スコアや掲載順位、クリック単価の決まり方といった詳細については、アドワーズのヘルプページ以外にも、YouTube動画を利用したグーグル・アドワーズの担当者による「解説ビデオ」などで、かなり多くの情報が提供されています。残念ながら、こうした動画は、ほとんどが英語にはなってしまうのですが、英語の字幕が用意されているものも多数ありますので、リスニングが苦手な日本人でも、頑張ればかなりの情報は入手できるのではないでしょうか?

そうした解説ビデオの中に、アドワーズの品質スコアについて解説されたものがあります。もう、1年以上前にアップされたコンテンツではありますが、アドワーズの仕組みを基礎から学んでおきたいという方には、ぜひ、視聴をお薦めしたいビデオです。

ところで、このビデオの中に、品質スコアに影響を与える要素を示した円グラフが登場します。

adwords_quality_score

もちろん、品質スコアの決定にあたっては、さまざまな要素が複合的に絡んできますので、話はそれほど単純ではありませんが、この円グラフを見る限り、少なくとも、品質スコアを決定する要素の中で、クリック率(=CTR)が半分以上の重みを持っているとグーグル自身も認めていることが分かります。

ところで、「クリック率を高めるためには完全一致の方が有利」であるという理由で、わざわざ「完全一致」で出稿している広告主を見かけますが、これはアドワーズのヘルプなどにもはっきりと書かれている通り、マッチタイプ(検索方式)の選択は、品質スコアには影響を与えません。部分一致で出稿している場合には、検索クエリと出稿キーワードが完全に一致して広告が表示された場合のクリック率だけが品質スコアの算定に用いられるためです。

確かに、アドワーズでは、同じ広告グループ内であっても、「部分一致」と「完全一致」という異なるマッチタイプを設定することで、同じキーワードを重複出稿することができます。ただ、これは、マッチタイプの違いによって、費用対効果の違いを検証するといった目的のある場合には有効ですが、品質スコアを高めるため、という点では全く意味はありません。

似たような話として「掲載順位が高い方がクリック率が高くなるので、品質スコア上は有利である」といった話も聞かれますが、これも正確な情報ではありません。アドワーズのヘルプには、「掲載順位の違いによって生じたクリック率の違いは、品質スコアの算定にあたっては補正される」と記載されています。

但し、この「補正」がどのように行われているか、詳細については分かりません。実際、経験則上、掲載順位を引き上げたことで、品質スコアが改善したという事例もあります。もちろん、これには、複数の要因が作用した可能性もありますので、100%断定はできませんが、欧米のSEM専門代理店に話を聞くと、特に新たにキャンペーンなどを開始する場合には、特に初期段階においては、あまりROIをガチガチに考えず、一定期間、上位を「泳がせる」ことが、品質スコアを高める上で一定の効果を持つ、といったことは、アドワーズ対策における一つの「ノウハウ」として広く共有されているようですので、参考までに、耳を傾けておく価値はありそうです。

(by Rod Hiroto Izumi, Founder & Co-CEO, Le Grand)



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2010.9.08

今から2ヶ月ほど前に、本ブログでご紹介したアドワーズ広告のサイトリンク機能ですが、その後、試してみるチャンスはありましたでしょうか?

おさらいをしますと、このサイトリンク機能を使うことで、例えば、ブランド名や会社名などの検索に対して、サイトのトップページだけでなく、同じドメイン内にある「会社概要」「商品一覧」といったカテゴリページなどについても、広告文の中で、プラスアルファのリンク先として表示させることができます。

松井証券

弊社でも、ブランド名などでの検索が多く、また、対象や目的が異なる商品やサービスのカテゴリーがいくつかあり、ブランド名などのキーワードだけでは、ユーザーが何を探して検索しているのか見当がつきにくい、といった条件にあてはまるいくつかのクライアント様に対して、サイトリンクを導入してみました。まだ、最長でも2ヶ月程度の限られたデータではありますが、下表の通り、これまでのところ、様々な業種・業態において、サイトリンクを導入することで、クリック率・コンバージョン率をいずれも向上させる効果が認められました。

【サイトリンク導入によるクリック率・コンバージョン率の改善割合(%)】

比較表

クリック率が上昇した理由としては、広告文が複数行にわたって表示されることで、画面上の「専有面積」が広がったということに加え、多様なニーズをもって検索をしてきたユーザーに対して、「この広告をクリックした先には何があるのか?」を、より明確に表示できたことも影響していると考えられます。

また、サイトリンクの導入によって、それぞれのユーザーのニーズに合致したページに誘導できる可能性が高くなった分、コンバージョン率に対してもポジティブな影響が出た、と言ってよいでしょう。

(by Rod Hiroto Izumi, Founder & Co-CEO, Le Grand)



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