2009.11.14

北米にはSEMの管理・運用に特化した、いわゆる「SEM専業代理店」が1万社近くあると言われています。

これは、SEMの管理・運用を外注している広告主の数も非常に多いということを意味している訳ですが、その分、管理・運用を外注して成果を上げるにはどうすれば良いか、という悩みも大きいようです。そこで、先日、米国のSearchengineWatch.comというサイトに掲載された記事『Getting the Most Out of Your SEM Agency 』をご紹介しながら、代理店の上手な使い方について考えてみたいと思います。

1. 情報を共有せよ

まずは代理店との間で、可能な限り、多くの情報を共有することが大事だとしています。売上やコンバージョン数、獲得コストなどの数値目標だけでなく、ネットビジネスに関する中長期的な展望や、全社的な戦略上の位置付け、あるいは数値目標を達成した場合に、担当部署に与えられる評価や特別ボーナスといった「非公式」な情報についても積極的に共有することで、代理店側では、より高度な運用戦略を検討したり、来るべき変化に対して前もって準備をしておくことが可能となります。

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こうした情報の共有がなされるためには、広告主と代理店との間に対等なパートナーシップに基づく、良好な関係が築かれていることが重要となりますが、代理店=出入りの業者という「上下関係」でとらえ、代理店に対して必要最小限の情報しか開示せず、「広告の費用対効果を上げるのは代理店の責任」と突き放してしまう広告主も少なくありません。

一方で、特にネット専業といわれる代理店の中には、広告主側の期待に沿うだけの「力」(=人材、ノウハウ、組織体制など)が無いために、広告主から、対応なパートナーとしての信頼を得ることができないケースも多い点については、代理店側もしっかりと認識する必要があると思います。
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2. 情報を要求せよ

運用の結果について、広告主側からも積極的に情報の提供・開示を要求することが大切です。掲載結果について、数値上、何か大きな変化が起きている場合には、それがどうして起きたのか、それが何を意味するかについて、しっかり説明を求めましょう。きちんとした管理・運用をしている代理店であれば、こうした点については、理路整然とした説明ができるはずです。また、検索エンジンや業界・競合他社の動向といった周辺情報についても、代理店を情報源として活用することも重要です。

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多くの代理店が、オーバーチュアやアドワーズの管理画面からダウンロードしたExcelシートを、A3とかB4の紙に山のようにプリントしたものを「報告書」と称して提出しているのを目にします。聞いてみると、広告主側では、それらのデータが何を意味するのかは分からないまま「報告」を受けているというケースもよくありますが、これではいけません。こうした報告の仕方をする代理店にも問題がありますが、分からないことをそのままにしている広告主側にも責任があります。

もし、質問をして答えられないようなら、そうした代理店に管理・運用を任せていること自体が非常に「危険」であることを意味します。また、代理店から出されるレポートについても、余り活用していないデータや資料については、作成は不要であることを伝えた上で、もっと自分たちが知りたいデータや情報を中心にレポートを作成してもらうよう依頼しましょう。
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3. 常にチェックせよ

どういったキーワードに出稿しているのか、キャンペーンや広告グループの構成はどうなっているのか、それはどういう方針や考え方に基づくのか、また、費用対効果を更に改善するためには、どういった方法があるのか、といったことについても、定期的にチェック・確認してみましょう。管理・運用について正しいスキルやノウハウを持った代理店であれば、整然とした答えが返ってくるはずですが、それでも、時々こうしたチェックを行うことで、代理店側にも、自分たちの管理・運用方針を見直させる効果があります。

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代理店に投げっぱなしというのはいけませんが、代理店に対して自分たちの考えるキーワードや広告文の掲載を押しつけるのも考えものです。正しい代理店を選んでいるのであれば、そうした代理店は、管理・運用の方法について、プロとして広告主にはないノウハウをもとに、最適な方法を提案・実施してくれるはずです。時々、「自分たちが指示をしないと代理店は何も提案してくれないので」といって嘆いている広告主もいますが、そんな代理店に費用を払って管理運用を委託していること自体が「ムダ」なのだということに気づくべきでしょう。
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どうも、今の代理店はまずいんじゃないか?と思い始めている方は、ぜひ、外注先の選び方に関するこちらのエントリーを参考にして、代理店の見直しをしてみて下さい。

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2009.9.13

日本時間で先週の金曜日にCNBCで放映された米国ヤフーのキャロル・バーツCEOとのインタビュー(英語)のビデオクリップです。

矢継ぎ早に繰り出される「意地悪」な質問と、還暦を過ぎてヤフーのCEOの就任したバーツ氏が、それを必死で(でも努めて明るく)かわそうとする「攻防」は、観ていてなかなか面白いです。この中で「マイクロソフトからの買収提案を受け入れておけば良かったのでは?」という質問に対し、当初、バーツ氏は「私はその場に居なかったし、当時と今とでは経済環境も違うのでコメントできる立場にはない。」といってかわそうとしたのですが、次に「じゃあ、仮にあなたが当時もヤフーCEOだったら、どうしていたと思いますか?」と尋ねられると、「受けたに決まってるじゃない!私はバカじゃないわ!」との答えが。。。

ん? ってことは、オファーを蹴ったジェリー・ヤン氏が「バカ」だって言ってるんでしょうか!?

その他にも、「これまで決断ができなかった経営陣に代わって、あなたは『もう検索技術を磨くことには投資しない』という英断をしたわけだけど、他に、ヤフーが『もうやらない』と決めたことはないの?」とか、インタビューの最後には「で、あなたは、まだしばらくはヤフーにいるつもりなの?」とか、何ともまぁ、言われたい放題のインタビューでした。。。

ちなみに、ヤフーの将来像について、バーツ氏は「もっと整理・統合された情報を提供できるプラットフォームとして、人びとのインターネットライフの中心的な存在になることを目指す。」とも語っていました。ちなみに、それを実現するための戦略は、日本でも進行中のMy Yahoo!のサービス強化、だそうです。以下、バーツ氏のインタビューでの発言です。

「朝起きて、さぁ何を検索しようかなんて、少なくとも私は思わないわ。私が欲しいのは、最新のニュースとか株価とか、世の中で起こっていることは何なのかを教えてくれるサービスよ。」

「Twitterでつぶやいたかと思ったら、Facebookで友人が何をしてるかを追っかけたりしなきゃいけないなんて、面倒くさくない?」


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