2008.10.22

BtoB」というアメリカのマーケティング雑誌の9月号で「10 Great Web Sites」という特集記事がありました。毎年、業界のエキスパートを選び、それぞれがBtoB – 企業向けサイトで必要なことを語り、お気に入りのサイトを紹介するといった内容になっています。

エキスパートが語った「BtoBサイトに必要なこと」をいくつかご紹介します。

  • BtoBサイトの良し悪しは「効率的かどうか」ということに尽きる。
  • 見込み客がその企業の商品を理解するだけでなく、業界に於いての問題点について認識し、その商品が業界の問題点をどのように解決してくれるのか、ということを一目瞭然にする方法を見つけなければならない。
  • 見込み客との長期的な関係が確立できる仕組みを持つ事が重要である。
  • 探している情報が直ぐに見つかるかどうかということは、年々重要になってきている。なぜならば、日中、企業で情報を探している人達は、夜には1ユーザーとしてネットを利用し、欲しい物や情報を自由に探しているのである。つまり、彼らは、BtoBサイトであっても、使い勝手の悪いサイトには付き合わなくなってきているのである。
  • BtoBサイトで提供するべきコンテンツについて、勘違いしている企業が多い。多くのBtoBサイトの役割は直販を行うことであり、成約までに時間がかかる。また、ビジネスが成約した後、長い関係が続くにも関わらず、殆どのサイトが営業に繋がるコンテンツ作りに重点を置きすぎ、既存の顧客を喜ばせるようなコンテンツ作りをしていない。FAQの充実は勿論のこと、サービスを利用している顧客に対して安心感を与えるコンテンツ作りが重要である。
  • ビデオ、ブログ、あるいは、キャンペーン用サイトを利用して、既存・見込み客に対して情報を提供する手法が増えている。しかし、ここでマーケターが気をつけなければならないことは、Pushをするのではなく、あくまでもPullという位置づけにすることだ。ビデオを使ったプロモーションで、ユーザーがクリックする前に、勝手に再生が始まってしまうような仕組みを見かけるが、これは間違いである。
  • マーケターはSEMとサイト作りの関係についても考える必要がある。なぜならば、検索を起点としてサイトを訪れたユーザーはサイトのトップページを見ることなく、検索キーワードに関連したページに飛ぶことになる。つまり、ここで大切なことは、全てのページがホームページのように見え、そして、機能する必要がある。

livecycle

Alan Webber, senior analyst, Forrester Researchは、アドビのサイトを使い勝手の良いサイトとして挙げています。特にLiveCycleという商品のページでは、アドビ商品の強みをフラッシュで分かりやすく見せ、業界別の利用方法を記載。技術者向けにより詳しい情報を提供しつつも、既存顧客に対するサポートも充実しているとのことです。因に、弊社サイトを立ち上げた際に、参考にしたのもアドビサイトでした。すっきりしていて分かり易く、ユーザーにストレスを感じさせないところは、学ぶべき点が多いですね。

SEMでサイトに見込み客を誘導することを想定せずに作られたサイトも多いと思いますが、インターネットユーザーがネットでの購入に年々慎重になってきているという傾向を考えると、SEMを利用している場合は、サイト全体のデザインについて見直す必要があるかもしれません。また、記事の中で、問い合わせフォームを作る際の注意点として、問い合わせの内容をカテゴリーメニューの中から選択するようなデザインの場合、選択するカテゴリー名は、顧客の立場に立って考える必要がある。企業側が自分たちのサービスを通常何と呼んでいるのかは、関係ないということも書かれています。

つまり、BtoBサイトを制作する際に忘れていけないことは、「顧客至上主義」にならなければならないということですね。そんなこと当たり前だと思われる方も多いかもしれませんが、「企業至上主義」になっているBtoBサイトと遭遇することが増えているせいか、当たり前のことを妙に新鮮に感じてしまうのは、私だけでしょうか?

さて、皆さんのサイトはどうですか?「顧客至上主義」になっていますか?


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2008.10.22

iphone

米国のKeynote Systems社によると、自社のKeynote WebEffecitve(R) for iPhoneを使った調査の結果、iPhone対応サイトのユーザー満足は低く、まだまだ改善の余地があるようです。

Keynote Systems社のProduct Manager Dan Richards氏は、”iPhoneは確かにスマートフォン市場に画期的な躍進をもたらしたが、我々の調査によると、ユーザーのウエブサーフィンエクペリエンスはその域に達していない”と語り、ユーザービリティ的にも100パーセントの満足度を得るにはまだまだ改善点はあると述べました。

例えば、米Yahoo!と米Fox Newsのモバイルサイトを利用したユーザーの内、それぞれ51%と64%が満足度が低いと感じ、実際にこの二つのサイトが魅力的であると感じたユーザーは半数以下でした。特にYahoo!のユーザーは普段利用しているパソコンサイトの方がiPhone対応のモバイルサイトよりも使いやすいとの結果を出し、60%のユーザーはサイトの利用に関してフラストレーションを感じ、主な不満の内容はサイト上で発生するエラー、雑然として分り難いページレイアウト、サイトの読み込みスピードや、スクロール幅の大きさなどが取り上げられています。

日本での状況についてはまだ詳しい情報はありませんが、ソフトバンクモバイル株式会社が iPhoneを取り扱うと発表をされたと同時にYahoo! Japanは対応サイトを発表している事を考えると、3G対応以前の接続速度の問題はあったにしても、いち早くiPhoneを利用していた割には米国のモバイルサイトに関しての対応はまだ遅れているのかもしれません。

筆者は個人ではiPhoneを使用していませんが、過去に体験のあるウィンドウズCE、ウィンドウズモバイルや、今や日本の携帯電話は標準となりつつあるフルブラウザですら、満足度の高いユーザービリティとは言い難いものだと思っています。また、各社検索ポータルが幾らユーザービリティをiPhoneやスマートフォンに適合させてみても、その先にある検索結果のサイト群が同様の対応をしていない限り、ユーザーの満足度は高くならないと考えます。ただし、これはサイト運営社側だけの問題ではなく、ハードウエアおよびブラウザソフトの開発側にも責任はあると思います。

そもそもユーザーは今や、iPhoneやスマートフォンで専用サイトを見るのではなく、パソコンで普段見ている同じサイトをそのままiPhoneで見たいのでは無いのでしょうか?どんなに画面が小さいくて、見難くてもそれを拡大表示する技術が提供され、パソコンとまったく同じ内容のサイトをサクサクとみせる事ができれば、よっぽどユーザーの満足が上昇すると思います。

広告主の視点からみても、これらのiPhoneやスマートフォン全般向けのモバイル専用サイトが必須となってくると、日本の検索連動型広告市場では少々やっかいな存在になってくる気がします。なぜなら日本にはすでのimodeを始めとした、携帯電話端末のサイト市場があり、アドワーズやオーバーチュアの対応もやっとこれらのサイトへの配信に対応出来ているというのが現状です。主要キャリア別の対応サイトをつくったり、PCとは別のキャンペーンを作ったりで、そこにさらに iPhone向けのサイトや広告キャンペーンとなると、今迄以上に厳しく費用対効果を考えながら取り組まないと、とんでも無い作業ボリュームになってしまいます。

残念な事にKeynote Systems社の発表では、テストユーザーの内のわずか4%のユーザーがサイト上の広告をクリックして、25%のユーザーが広告を認識したにも関わらず、クリックしようとしなかったとの結果が報告されています。検索自体のユーザービリティに関しても、いろいろと挙げられた不満の原因をから予測するには、ユーザーは広告をクリックして無駄に時間をつかったり、無理矢理作られた複雑なサイトナビゲーションの中に迷い込むのを敬遠しているようにも思えます。。。こうなると、世の中の全てのサイトに対応を求めるよりは、ハードウエアメーカー、ブラウザソフト開発側の努力に期待するのが得策なのではないでしょうか?


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