2013.11.14

先月AdWords公式ブログより、AdWordsでデバイスをまたいで発生した推定のコンバージョン数が計測できるようになったとの発表がありました。

既に多くのAdWordsアカウントで「クロスデバイスの推定コンバージョン」という指標が確認できるようになっていると思いますので、一度見てみることをお勧めします。

クロスデバイスの推定コンバージョン
【クロスデバイスの推定コンバージョン】
([表示項目の変更] > [コンバージョン]から[クロスデバイスの推定コンバージョン]を表示項目に追加)

この指標により、広告がクリックされたデバイスと異なるデバイスやブラウザで達成されたコンバージョンを推定することが可能となります。

AdWordsが紹介しているデバイスをまたいだコンバージョン例として、下記の2例を紹介していますので引用させていただきます。
<デバイスをまたいだコンバージョンの2つの例>

  • 家族旅行を計画中のユーザーが、朝の通勤電車を待っている途中に携帯電話を使い、Google で行き先候補を検索します。このユーザーは「ホノルルのホテル」の広告をクリックし、表示されたウェブサイトが気に入りました。仕事を終えて帰宅した後、今度はタブレットからウェブサイトにアクセスし、滞在するホテルの予約を行いました。
  • 仕事場のパソコンを使用しているユーザーが、映画のチケットの購入に関する広告をクリックします。その後、どの映画を見るか決めてから、自宅のパソコンを使用して広告のリンク先ページに戻り、チケットを購入しました。

当指標は“Google にログインしたユーザーの集計データ”から推定されているとのことです。一例として下図キャンペーンをデバイス別掲載結果に分けて、クロスデバイスの推定コンバージョンを見てみます。

クロスデバイスの推定コンバージョン例
【デバイス別掲載結果でクロスデバイスの推定CVをみる】

PC、スマートフォン(フルインターネットブラウザ搭載の携帯端末)の全体の総クリックスルーコンバージョン(以下、総CV)に占める割合としてはPCが多い(全体98件中74件)ので、PCが主なCV貢献デバイスであることは明確です。

一方で、各デバイスの「総CV:クロスデバイスの推定CV」の比率をみると、
・スマートフォン:総CV20件+クロスデバイスの推定CV4件(総CVの20%)
・PC:総CV74件+クロスデバイスの推定CV5件(総CVの6.8%)
となっています。

つまり、スマートフォンでは総CV 20件とは別にさらに+20%のクロスデバイスの推定CVが発生しており、PCに比べてクロスデバイスの推定CVの割合が高いことが分かります。

換言すれば、この場合スマートフォンはPCに比べて、これまで把握できていた総CV以上にCV貢献をしている可能性が高く、成果を評価する際には、「総CV + クロスデバイスの推定CV = 推定合計CV」で算出される推定合計CVをみることが必要といえます。

あくまで推定指標ではあるものの、スマートフォンがコンバージョンの“起点”となる一方、最終的にPCで購入手続きが行われるケースが多い商材においては、これまでは数値上スマートフォンのコンバージョンは少なく、「貢献度が低い」、「効果が不透明」と言わざるを得ませんでしたが、当指標によって、スマートフォンへどれほど広告予算を投資すべきかどうか判断しやすくなります。

(by 桑原 達彦・コンサルタント)

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2013.10.31

先日弊社ブログでもご紹介した通り、Googleアナリティクスでは今後、近いうちに来訪ユーザーのデモグラフィックデータ(年齢・性別・興味関心など)が取得できるようになります。

そういう潮流からも、今後サイト分析に求められる考え方として、ページごと、流入元に着目した分析に留まらず、どんなプロファイルのユーザーがサイト内でどういう行動をしているか、という「個々のユーザーに焦点を当てた分析・改善」を出来る否かが重要となってきているといえます。

個々のユーザーに焦点を当てる、となると高度な分析が必要にもなってきますが、ここでは、その“導入”として、Googleアナリティクスのアドバンスセグメントを活用した分析の考え方の例をご紹介します。 分析にあたって、重要な考え方の一つは、「自社サイトに訪問しているユーザーはどんなユーザーか」を整理することです。

今回は簡単な例として、ユーザー層を下記3つに大別し上図ので表現しています。 (1) 初めて訪問したor 興味関心度が低く、マイクロCV(※)、CVに未到達のユーザー層(登山初心者) (2) コンバージョンには至っていないが興味関心が高く、マイクロCVまで到達したユーザー層(登山中級者) (3) CVに到達したユーザー層(登山上級者)

Googleアナリティクスユーザー分析の考え方

例えるなら(1)は登山初心者、(3)はめでたく頂上まで到達した登山上級者となり、サイトでCVを最大化させるためには、
(1)⇒(2)への遷移(登山初心者をどうやって登山に興味関心を持たせ、中級者にさせるか」
(2)⇒(3)への遷移(興味関心を持った中級者を上級者にさせる一押しは何か)
という「各遷移での障壁をどれだけ緩和させてあげるか」、という分析方針に集約されます。 当然、ページのコンテンツが乏しかったり、買い物カゴ到達から購入まで導線設計が悪かったりすると、(1)⇒(2)、(2)⇒(3)へ遷移する際のハードルが高く、離脱の割合を高める結果になってしまいます。

前置きが長くなりましたが、(1)⇒(2)、(2)⇒(3)の遷移の障壁要因が何のか、(1)、(2)、(3)のユーザーでどんな違いがあるかを分析する場合に便利な機能がアドバンスセグメントとなります。

ECサイトをモデルケースに、マクロCVを購入、マイクロCVを商品詳細ページ閲覧、とすると、例えば登山初心者、中級者、上級者は下記のような条件に落とし込むことができます。(より詳細を分析した上で(1)~(3)の条件決定する必要がありますが、あくまで一例です)
(1) TOPページにランディングした新規訪問ユーザーかつ商品詳細ページ未到達ユーザー層
(2) 商品詳細ページまで閲覧した未購入ユーザー層
(3) 商品購入まで至ったユーザー層

ここまで来ると、いよいよアドバンスセグメントで条件を設定し、各ユーザー層間で閲覧しているページ違いや滞在時間、流入キーワードの違いを分析していきます。

具体的な数値、分析例はまた改めてご紹介させていただきますが、この分析によって「商品詳細ページへの導線が悪かった」、といった単純な改善施策から、「マイクロCVユーザーの多くは、商品詳細以外にもブランド紹介ページを閲覧している割合が高く、このページを閲覧させることが“初心者”から“中級者”へ押し上げるための価値あるコンテンツだった」という分析までみえてきます。 また、“初心者”の多くは流入メディアに偏りがあったり、訪問キーワードに傾向があったりするなど、ユーザー層別の特徴が見えてくることはもちろんのこと、今後導入されるユーザーデモグラフィックデータと結びつけられるようになると、より“初心者”の具体的なペルソナが浮かび上がってきます。

最終的には、こういった分析・改善によって、サイト側でもユーザー(プロファイル)ごとに適したコンテンツを用意する、“おもてなし”ができれば、CVはさらに増加させることが期待できるでしょう。 (※)ここでいうマイクロCVは、「購入や資料請求といったマクロなCVではないが、将来的にCVを生み出す可能性のあるアクションとして定義したもの」で、簡単な例では買い物カゴまで到達した、事例集ページを見たといったアクションが挙げられます。

この「マイクロCV」はGoogleのエバンジェリストであるアビナッシュ・コーシック氏が提唱する「経済的価値(エコノミックバリュー)」の中で導入されている考え方で、弊社セミナーなどでも何度かご紹介しております。

なお、本サイトやニュースレターでもお知らせした通り、ルグランは、本年3月に、デジタルマーケティング機能を統合したコンテンツ管理システムを提供するサイトコア株式会社と、マーケティングソリューションの分野で業務提携契約を締結しました。

パーソナライズ機能を導入した動的なサイトの構築・運用に興味のある方は、ぜひ、一度、ルグランまでご相談下さい。

サイトコア導入サポート窓口
メール: sitecore@LeGrand.jp
電話:0120-066-898
(by 桑原 達彦, Consultant, Le Grand)

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